和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年11月13日(水)

最小のハッチョウトンボ羽化 古座川の湿田

羽化が始まっているハッチョウトンボ(14日、和歌山県古座川町直見で)
羽化が始まっているハッチョウトンボ(14日、和歌山県古座川町直見で)
 和歌山県古座川町直見の大谷湿田で日本最小のトンボ、ハッチョウトンボの羽化が始まっている。例年、7月下旬まで見られる。生息地を保護している町教育委員会は「ルールを守って観察、撮影してほしい」と呼び掛けている。

 大きさは成虫で約2センチで雄は赤色、雌は黄褐色と黒色のしま模様。ネパール、インドネシアなどの東南アジア諸国から南半球のオーストラリアにかけての広い範囲に分布し、日本は北限分布地になる。生息に適した湿地が少なくなり減少していることから、県は準絶滅危惧種に分類している。名前は発見された場所の地名に由来する。

 大谷湿田では1992年に大量に発見され、2000年から町が町天然記念物に指定して保護している。昨年は湿田の周囲を囲む網が破られ、人が湿田に侵入した足跡が見つかったことから、町教委はパトロールを強化している。

 トンボに詳しい熊野自然保護連絡協議会の南敏行会長によると、ハッチョウトンボは県内では、橋本市など北部で見られる種類だったが、生息していた湿地が宅地化などでなくなったことから、近年は確認情報が少なかった紀南地方で見られるようになったという。