和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年07月03日(日)

大麻の危険性知って 若者中心に検挙増

薬物への注意を呼び掛ける啓発ポスターを持つ、白浜署生活安全刑事課の堅田悠介課長(和歌山県白浜町で)
薬物への注意を呼び掛ける啓発ポスターを持つ、白浜署生活安全刑事課の堅田悠介課長(和歌山県白浜町で)
 近年、若年層を中心に大麻に絡む検挙数が増えている。インターネットなどで「他の薬物より安全」という情報が出回り、好奇心やその場の雰囲気で手を出してしまうケースも少なくない。6月には和歌山県白浜町の民家で大麻を栽培していた事例もあり、白浜署は「大麻は依存性が高く、心身に深刻な影響を与える。大麻の危険性を正しく知ってほしい」と呼び掛けている。

 署によると、大麻には煙を吸引などすると一時的に陶酔感や高揚感、多幸感をもたらす「テトラヒドロカンナビノール」という脳に作用する成分が含まれている。幻覚作用や依存性があり、国内では大麻取締法で不正な栽培や所持などが禁止されている。

 大麻を乱用すると、学習能力や記憶力、注意力といった認知機能に影響を与え、情緒が不安定になったり、精神疾患を引き起こしたりする危険もある。特に青少年は深刻な影響を受けやすいという。

 警察庁が大麻に絡む昨年の検挙者を調査したところ、初めて大麻を使用した年齢は20歳未満や20代が多くなっている。若年層の使用動機は「好奇心・興味本位」「その場の雰囲気」が目立ち、中には「誘いを断れなかった」というケースもあった。また、大麻について「合法の国があり安全」「酒やたばこよりも害が少ない」「依存性が低い」など誤った認識を持っていた人も多かったという。

 県内では昨年、大麻取締法違反で40人が検挙された。検挙者は若年層を中心に増加傾向にあり、乾燥大麻の押収量は約3キロだった。

 白浜署生活安全刑事課の堅田悠介課長(42)は「薬物で得られる高揚感などは一時的なもの。依存性が高く、一度手を出せば少しずつ体をむしばまれて、自分を制御できなくなっていく。大麻をきっかけに、覚醒剤などより強力な薬物に手を出してしまうケースも少なくない」と指摘。「大麻の危険性を知り、もし勧められても断る勇気を持つことが大切。教育機関などとも連携して、大麻は危険だという認識を浸透させていきたい」と話している。

■身近で大麻栽培も 気付いたら通報を

 白浜署は6月、自宅で大麻を所持・栽培した容疑で白浜町堅田の土木作業員の男(35)=大麻取締法違反の罪で起訴=を逮捕した。男の自宅からは乾燥大麻約680グラムも見つかっており、署は「身近な所でも大麻が栽培されていることがある。違法栽培の可能性がある場所を見掛けたら、最寄りの警察署などに通報してほしい」と呼び掛けている。

 署によると、大麻の栽培が疑われる場所は「一日中、雨戸やカーテンをしているが照明はついている」「エアコンや室外機が常に動いている」「土や肥料を運び入れたり、茎や根などをごみに出したりしているが、外で植物を育てていない」などの特徴があるという。