和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年08月09日(火)

紀南探検隊 パート8(2)/那智勝浦町朝日 踏切に不可解な線路/途切れた先に歴史あり

踏み切りにのみ残る線路(那智勝浦町朝日で)
踏み切りにのみ残る線路(那智勝浦町朝日で)
踏切 地図
踏切 地図
 那智勝浦町を訪れた際、JR紀伊勝浦駅近くの踏切を渡った。線路を1本越えると、続いてもう1本の線路がある=写真。おかしい。駅から続く線路は1本だけなのに、踏切にだけは2本の線路がある。

 怪談の定番で、12段だった階段が13段に増え、13段目を踏むと異世界に連れて行かれるという話があるが、これはその線路バージョンなのか。ドキドキしながら車で渡ったが、別段何も異変は起こらなかった。

 帰りはあえて踏切を渡る必要はなかったが、好奇心からもう一度通ってみた。今度は近くに車を止め、歩いて線路を確認する。やはり踏切にだけ2本の線路が通っている。

 JR西日本和歌山支社に問い合わせると、かつて踏切の近くには貨物の拠点があり、踏切に残る線路は貨物列車の入れ替え用だったのではないかという。いまはトラックでの運送が主流になり、貨物の拠点はなくなった。

 さらにさかのぼると、線路は勝浦港にまで続いていたという。紀伊勝浦駅は、木材の運搬を目的とした新宮鉄道の駅として開業。ここまで鉄路で運ばれた木材は、大型船が寄港可能な勝浦港から東京や大阪へと運搬されていた。

 途切れた線路の先はなんと、木材で栄えた紀南の歴史に続いていたのである。