和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年12月03日(木)

かんきつに日焼け被害 厳しい日差しで多発

厳しい日差しの影響で果皮が日焼けしている温州ミカンの極早生品種(和歌山県田辺市上秋津で)
厳しい日差しの影響で果皮が日焼けしている温州ミカンの極早生品種(和歌山県田辺市上秋津で)
 和歌山県田辺・西牟婁地方で栽培が盛んなかんきつが、夏場の厳しい日差しの影響で果皮が日焼けする被害が多発している。温州ミカンの極早生品種に被害が多いが、晩柑にも見られる。日焼けが激しいと商品価値が下がり、農家は「近年では一番ひどい被害」と嘆いている。

 JA紀南指導部によると、日焼けは例年、ある程度は見られるが、今年は特にひどいという。気象庁のデータによると、盆以降の気温は、南紀白浜で最高37・5度を記録するなど高温で推移している。この厳しい日差しで一気に被害が広がった。実の日の当たる部分が緑色から黄色くなるにとどまらず、より悪化して茶色になっているのも多く見られる。

 9月10日すぎから収穫が始まる「日南の姫(ひなのひめ)」や「日南」「ゆら早生」など極早生品種の被害が目立っている。収穫がもうすぐで生育が進んでいるのに加え、日の当たる位置に実がついているため、影響を受けやすいという。

 それ以上に今年の日差しの厳しさを物語るのが晩柑の被害。晩柑の収穫は年明けのため、まだ実が小さく、温州ミカンに比べれば皮が硬いのにもかかわらず被害が出ている。皮が柔らかい「せとか」だけでなく、「ポンカン」や「ハッサク」にも見られる。

 西日を受ける場所が被害が大きく、実にテープを貼ったり、布をかぶせたりして軽減することもできるが、今年のように厳しければ対策には限界があるという。

 被害を受けた実もある程度は収穫するが、そのまま食べる青果としてはほとんどが出荷できず、量が多くなれば収益は上がらない。

 今季は6月中旬にあった「生理落果」で、「近年にない」というほど大量に実が落ちた。農家は例年なら、ミカンをおいしくするために悪い実を選んで摘果するが、今季は場所によってほとんどできないでいた。日焼けはそれに追い打ちをかけており、農家らは「とりわけ極早生では、品質の良いミカンは少なくなるのでは」とみている。

 しかし、かんきつのうち半分以上を占める早生品種の被害はそうひどくないとみられ、品質の良いミカンが多く収穫できることが期待される。

 JA紀南みかん部会長の前田泰輔さん(48)=上富田町岡=は「ミカンがおいしくなるには夏場は晴れた方がよいが、今年はきつ過ぎた。ただ、晴れが続いたことでおいしくなっている。今後、台風や害虫被害も心配されるが、早生品種に期待したい」と話している。