和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年10月30日(金)

外来カミキリ早期発見を呼び掛け 和歌山県が研修会

クビアカツヤカミキリの対策を考えるため開かれた研修会(和歌山県田辺市新屋敷町で)
クビアカツヤカミキリの対策を考えるため開かれた研修会(和歌山県田辺市新屋敷町で)
 梅やサクラなどの木を食害して枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の対策を考える研修会が4日、和歌山県田辺市新屋敷町の紀南文化会館であった。田辺・西牟婁の梅やスモモ農家、行政の農業担当者ら約50人が参加。主催した県は拡大を防ぐため、早期の発見や防除対策を呼び掛けた。

 県内では農作物として主力の果樹である梅やスモモ、モモに被害が出ており、紀北地方で拡大している。さらに深刻な被害をもたらす可能性があるとして、県が1月にかつらぎ町で開いたのに続き、県内4カ所で研修会を計画した。紀南での開催は初めて。

 クビアカツヤカミキリの成虫は体長2・5~4センチで、全体に光沢がある黒色だが、胸部(首部)が赤いのが特徴。中国や朝鮮半島などに分布する。被害を及ぼすのは幼虫(体長約4センチ)で、2、3年木の中で過ごして内部を食い荒らす。それによって樹木が衰弱したり、枯れたりする。

 国内では2012年に愛知県で初めて見つかり、その後、埼玉県や大阪府、徳島県、群馬県などに広がった。和歌山県では17年7月にかつらぎ町の梅畑近くで成虫が捕獲され、昨年11月に同町のモモ園で初めて被害が見つかった。その後、同町で広がり、紀の川市や岩出市、橋本市でも被害が確認されている。

 研修会では、果樹試験場うめ研究所(みなべ町)の下村友希子研究員と、県農業環境・鳥獣害対策室の間佐古将則主任が説明した。

 対策として強調したのが被害の早期発見。成虫は6月から8月にかけて発生するが、幼虫は4月から10月にかけて活動が活発になる。その際、木くずとふんが混ざった「フラス」を大量に出し、根元などにたまっていることで被害が確認できるとして「農家だけでなく、すべての県民に関心を持ってもらいたい。被害が広がっていくと産地が大変なことになる」と呼び掛けた。カミキリムシやアリなど他のフラスとは色や形状が違うことも説明した。

 防除については、成虫は見つけ次第に捕殺▽幼虫は穴に農薬を注入する▽被害が激しい場合は伐採▽難しい時には、ネットを巻き成虫が飛び出すのを防止する―などと説明。対策をする際には県の補助があることも紹介した。「紀南では被害は発生していない。今のエリアから拡大させずに根絶したい」と対策の強化とともに、情報提供を呼び掛けた。

 参加者から予防ができないかを聞く質問があり、県の担当者は「経費もかかり、難しい。他府県では栽培管理がしっかりできている所は少ないという報告がある」と答えた。

 今回の研修会は8月中、かつらぎ町と紀の川市で開催した。今月8日にはみなべ町の中央公民館でも開く。