和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年10月31日(土)

梵字もくっきり 古道の名所「円座石」きれいに

手入れされて美しい姿を取り戻した円座石(8日、和歌山県新宮市熊野川町で)
手入れされて美しい姿を取り戻した円座石(8日、和歌山県新宮市熊野川町で)
雑草が生い茂った状態の円座石(今年7月21日撮影)
雑草が生い茂った状態の円座石(今年7月21日撮影)
 雑草が生い茂っていた和歌山県新宮市熊野川町、熊野古道・大雲取越の途中にある巨石「円座石(わろうだいし)」が手入れされ、熊野三山の本地仏を表す梵字(ぼんじ)も美しく浮かび上がった。

 円座石は2004年に世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道・中辺路にある。登録の頃は手入れが行き届いていたが、5年ほど前には表面のコケが全て剝がされ、岩肌がむき出しになるという出来事もあった。

 その後コケは回復しつつあるが、最近はシダや草などが生い茂り、石に刻まれた直径40センチほどの梵字が見えづらくなっていた。さらに近くに倒木もあり、古道を管理する新宮市に整備を求める声が出ていた。

 これを受けて市教育委員会文化振興課の職員3人が8月下旬、巨石の表面を覆うコケがなるべく剝がれないようにシダを抜いたり、伸びていた雑木を切ったりしたほか、梵字が読めるようにコケを取り除くなどしたという。

 同課の担当者は「上手に手入れできるかどうか、試しに職員でやってみた。現在の状態を維持していけるよう、古道を手入れしてもらっている森林組合にお願いしていきたい」と話している。

 円座石の「円座」は、わらやいぐさを丸く編んだ敷物のことで、巨石上面の模様が円座に似ていることが名前の由来。「熊野三山の大神の御茶屋所」とされ、熊野の神々がここに座って談笑したと伝えられている。