和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年05月12日(水)

在宅福祉サービスの会が発足30年 制度のはざまを支援

高齢者宅を掃除する「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」のメンバー(和歌山県田辺市内で)
高齢者宅を掃除する「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」のメンバー(和歌山県田辺市内で)
 和歌山県のボランティアグループ「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」が、発足30周年を迎えた。住民同士が助け合い、自ら地域の福祉を支えようと、有償で高齢者や障害者らの家事援助をする「住民参加型在宅福祉サービス」を続けている。介護保険など公的サービスの範囲に入らない「制度のはざま」の支援も担っており、利用者から「なくてはならない存在」との声が上がる。一方、会のメンバーの減少や高齢化で人手が足りず、依頼を断るケースも生じている。


 1990年に発足した。当初は会員同士の助け合い活動をしていたが、93年に田辺市社会福祉協議会の提案で「住民参加型在宅福祉サービス」を始めた。

 支援を必要とする人が「利用会員」、ともしびの会のメンバーが「提供会員」となり、有償で家事援助などをしている。主な支援内容は食事作りや部屋の掃除、洗濯、買い物、庭の手入れのほか、通院の付き添いや入院中の洗濯など。利用料は年会費が2千円、家事援助などは1時間600円。

 利用会員の年齢制限などは特にないが「できることは(利用者が)自分でし、できないことを支える」ことをモットーに活動。高齢者や障害者の利用が中心だが、妊娠中でつわりがきつい人から食事作りの依頼を受けたり、退院直後の人から家事全般の依頼を受けたりすることもある。

 田辺市内の男性(85)は1年ほど前から週に1回、部屋とトイレの掃除を依頼している。男性は「支援に来てもらって助かっている」。6月から支援活動を始めたともしびの会の江川由理さん(47)は「すごく必要とされている活動だと感じた。利用者に喜んでもらえると、こちらもうれしくなる」と話す。

 一方、ともしびの会のメンバーはピーク時の2009年度には61人いたが、現在は29人と半減。70代が中心と高齢化も進む。それに伴って支援件数・時間とも減っており、09年度には延べ6164件、1万964時間だったが、昨年度は1638件、2490時間と約4分の1にまで減った。

 橋本キヨミ会長は「今年は40代の人が2人、会員になってくれてありがたい。活動を続けるためにも、若いメンバーが増えてほしい」。事務局の市社福協、鹿毛智子さんは「自分たちもこの先、助けてもらう立場になることもある。退職や子育てが一段落して時間にゆとりのある人、誰かの役に立ちたいという思いのある人はぜひ参加してもらえれば」と呼び掛けている。

 問い合わせは、市社福協(0739・24・8329)へ。