任期満了に伴う和歌山県みなべ町議選（定数１４）は４日に投開票があり、新顔３人が当選した。トップ当選は新顔の山本秀平さん（２８）＝みなべ町晩稲＝で、合併してみなべ町になって以降の選挙で最年少当選となった。

　開票は午後８時に同町東本庄の町保健福祉センターで始まり、町選挙管理委員会は９時２５分に確定票を発表した。当選者の内訳は現職１１人、新顔３人。現職１人が涙をのんだ。

　投票総数７８５２（男性３６９９、女性４１５３）のうち、有効投票数は７７８１、無効投票数は７１。

■「魅力ある町を次世代に」　新顔の山本さん

　山本さんは梅農家。大学卒業後、実家の農園に就農し、現在代表を務める。昨年度は農業青年クラブ「４Ｈクラブ」の県や近畿の会長を務めた。「自分が農業をしているのも、先人が築いた地域のおかげ。何とか恩返しをしたい。次の世代に課題を先送りせず、町に貢献したい」と出馬を決めた。

　午後９時半すぎ、「トップ当選」の知らせを受けると支持者から歓声が上がり、山本さんは支持者とともに万歳をして喜び合った。

　山本さんは、支援してくれた人に感謝の言葉を述べ「２年前に町議選に出ると決めてから何度もくじけそうになり、やめてもいいのではないかと自分に問い掛けたが、この魅力ある町を次世代につなげたいという声が心の中に起こってきた。その気持ちをずっと信じてよかった。声援や期待を裏切ることなく、町政へと皆さんの声を届けたい。やっとスタートラインに立てたことを自覚して走り出したい」と話した。

　「人口減少を止めるためにも、若い世代の定住を進めたい。第１次産業の後継者不足の解消にも努めたい。情報発信の力を使って若い人に声を届けたい」と抱負も語った。

　新顔の棒引清さん（５８）は「これから先、地震や豪雨災害などの心配があるので、町全体、いろいろな地域を見て、道路網の整備など安心安全なまちになるように取り組んでいきたい。他のさまざまな課題にも勉強して対応していきたい」、細川安弘さん（６０）は「少子高齢化や防災、産業振興、次世代育成に取り組まなければいけないが、自分の思いだけでなく、それぞれの考えを聞き、多面的な見方で対応しなければいけない。勉強しながらしっかり取り組みたい」と抱負を語った。

■投票率は前回上回る

　投票率は、前回を１・０５ポイント上回る７５・７％。１３カ所の投票所の中で、最も高かったのは清川公民館で８７・６８％。次いで西本庄区民会館の８６・１４％。最も低かったのは、埴田集落センターの６７・７３％、２番目に低かったのは町役場庁舎で６８・７１％だった。

■投票所別投票率

　投票所別の結果は次の通り。数字は当日有権者数、投票率の順。

　堺地区構造改善センター４７４、７１・７３▽埴田集落センター１０３２、６７・７３▽社会福祉センター８９０、７３・０３▽芝崎会館５８８、７３・８１▽役場庁舎１６３０、６８・７１▽山内会館４１７、７７・２２▽岩代共同炊事場７７８、８１・６２▽筋区民会館５１４、７８・６▽晩稲区民会館１００７、７６・７６▽中央公民館９５０、８０・４２▽西本庄区民会館５４１、８６・１４▽高城公民館９９９、７６・１８▽清川公民館５５２、８７・６８▽合計１万３７２、７５・７

■当選証書を交付

　みなべ町選挙管理委員会は５日、任期満了に伴う町長選と町議選の当選証書を交付した。

　４日に投開票があった町議選の交付式は同町芝の町役場であり、清水正男委員長が、１４人の当選者一人一人に証書を手渡した。

　この日は、町長選で無投票当選した現職の小谷芳正氏（７１）＝みなべ町筋＝にも証書を交付した。

　町長・町議の任期は１０月２４日から４年間。

■開票結果（定１４―候１５）　選管確定

当　９８９　山本　秀平　２８　無新（１）
当　６３４　宮﨑　繁幸　６１　無現（２）
当　６２５　棒引　　清　５８　無新（１）
当　５３９　下村　　勤　７７　無現（５）
当　５３９　細川　安弘　６０　無新（１）
当　５３３　丸山　幸雄　６６　無現（２）
当　５２５　出口　晴夫　６２　無現（２）
当　５２１　原田　　覚　４６　無現（４）
当　４８０　井口　雅裕　６６　無現（３）
当　４６８　谷本　吉弘　６２　無現（３）
当　４６１　池田三千留　５９　共現（２）
当　４３５　玉井　伸幸　６６　無現（２）
当　３７０　真造　賢二　５８　無現（３）
当　３３６　天野　　仁　７０　無現（３）

　　３２６　永井　幸喜　５９　無現（１）

▽有効７７８１　▽無効７１