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2024年04月19日(金)

三段壁で自殺未遂の女性保護 人命救助で阪中さんに感謝状

阪口豊署長(右)から感謝状を受け取る阪中利和さん=和歌山県白浜町で
阪口豊署長(右)から感謝状を受け取る阪中利和さん=和歌山県白浜町で
 和歌山県白浜町の三段壁で、自殺しようとしていた女性を保護した功労をたたえて白浜署は13日、町シルバー人材センターに所属する阪中利和さん(76)=白浜町=に感謝状を贈った。


 署によると、阪中さんは9月16日午後6時ごろ、三段壁で、転落防止柵の外側に横たわる50代女性を発見。自身もすぐに柵を越えて、転落しないよう女性の足をつかんで署に通報した。女性は大阪府から自殺しようと訪れていて、駆け付けた署員が女性を保護した。

 シルバー人材センターは町から委託を受けて、三段壁の散策路の施錠とパトロールをしている。阪中さんら会員3人が、交代しながら毎日施錠に訪れて、荒天時以外は見回りをしている。

 10月13日、同町の署庁舎で感謝状の贈呈式があり、阪口豊署長が阪中さんに感謝状を手渡した。

 阪中さんは6年ほど三段壁の施錠とパトロールを続けており、過去にも同様に4人を保護した経験がある。阪中さんは「話し掛ける時はできるだけ柔らかい物腰で、気が紛れるようなことを話すようにしている。瀬戸際にいる人がいれば、一人でも二人でも助けたいと思う」と話した。

 阪口署長は「自らの危険を顧みず、尊い命を守っていただき、ありがとうございます」と謝辞を述べた。

 署によると、三段壁で自殺しようとしていたとして保護したのは今年1~9月で40人。死者は4人だった。