和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年12月06日(日)

空港の路面沈下を電波で把握 南紀白浜、先端技術で施設管理

地盤変動量イメージ。色合いで変動量を示せる(NEC提供)
地盤変動量イメージ。色合いで変動量を示せる(NEC提供)
人工衛星からの電波を用いた技術のイメージ(NEC提供)
人工衛星からの電波を用いた技術のイメージ(NEC提供)
 南紀白浜空港の運営を担う南紀白浜エアポート(和歌山県白浜町)は、NEC(東京都)と、滑走路面の経年変位を詳細に把握するため、人工衛星から放射される電波を用いる技術の導入について検討を始める。両社はドライブレコーダーの画像を人工知能(AI)が分析する実証実験にも取り組んでおり、これらをパッケージにして空港施設の維持管理の省人化・効率化に向けた”白浜モデル”を確立させ、広げたいという。

■実用化へ実証実験

 インフラ施設のモニタリングに用いられる技術を活用する。両社は11日、人工衛星合成開口レーダ(SAR)からの電波を空港の維持管理に用いるための覚書を交わした。年度内をめどに、分析の精度や頻度などを検討し、安全性を担保でき、かつ利用しやすいサービスになるレベルを目指すという。

 白浜空港では現在、年に1度、基準点での測量調査で沈下量を測っている。これを新たな技術に変更することで、正確性と効率性を高めたいという。衛星からのマイクロ波を用いて継続的に計測すれば、経年変位をミリ単位で把握できるようになるとしている。

 エアポート社とNECは、滑走路の点検で走る車両に取り付けたドライブレコーダーの画像からAIが、ひび割れなどを検知できるようにする実証実験を3月から続けている。当初は飛行機のタイヤ痕やグルービング(安全溝)を誤検知することもあったが、AIに繰り返し学習させることで、精度は高まってきているという。

 こうした先端技術をエアポート社が積極的に取り入れるのは、人材不足を補い、技術力を継続して確保する狙いがある。担当者は「生産性を維持、向上させるには、あらゆるモノをインターネットでつなぐ手法が極めて有効だ」と話している。

 同じような課題を抱える地方空港も多いとして、NECと連携し、汎用性の高い技術として広めたいという。