和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年01月24日(月)

「失った歯は戻らない」

 人間の永久歯は成長してから生える親知らずを含めて32本。内訳は小臼歯と大臼歯で20本、切歯(門歯)が8本、糸切り歯とも呼ばれる犬歯が4本。それぞれ穀物をかみ砕いたり、草をかみ切ったり、肉を引き裂いたりするのに適した機能を持っている▼コメや麦を主食にする人間には臼歯が多く、肉食のライオンには犬歯が並ぶ。草を食べる馬では切歯が幅を利かせている。それぞれの種を維持するために、気の遠くなるほどの歳月をかけて最適の歯を進化させてきた適者生存の法則であろう▼そうした歯の役割を知り、その大切さをより多くの人に理解してもらうための「歯と口の健康週間」が6月4日から始まる。それに合わせて田辺西牟婁歯科医師会などが1日、田辺市の紀南文化会館で歯科保健フォーラムを開く。歯の大切さを広く市民にアピールする催しだ▼僕は子どもの頃から歯医者さんとの縁が切れない。小学生の時、4年間は皆勤賞だったが、2年間は精勤賞。その年は、ともに虫歯を治療するために学校を休んだ。社会人になっても、任地が変わり住まいが移るたびに、その土地で信頼できる歯科医を探した▼食べ物はよくかんで味わうこと、それが養分の吸収を助ける。そのためには80歳でも自前の歯を20本は残そうといわれるが、失った歯は戻ってこない▼それもこれも子どもの頃、形ばかりの歯磨きで済ませてきたツケだろう。一生の不覚である。(石)