和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年01月24日(月)

「新しい家族」

 連休明けのある日、夜遅く帰宅すると妻が控えめに話し掛けてきた。「2階に新しい家族がいる」。嫌な予感がして階段を上がると、見覚えのある、ふさふさした白い毛の洋猫がいた▼地元のホームセンターで半年ぐらい前から売り出されていた雄猫である。妻は入店するたびに「早く売れてほしい」と気にしていたが、先月あたりから「うちで面倒見ては駄目か」と言いだした▼自宅ではすでに飼い主のいない猫2匹、犬1匹を引き取って飼っている。「これ以上は無理」と反対していたのだが…▼新しい家族は、これまでの雑種とは違い「エキゾチックロングヘア」というしゃれた名の種類で、つぶれた顔とモップのようなしっぽが特徴。顔が歌舞伎の連獅子を想像させるため「シシオ」と名付けた。妻は「もっとかわいらしい名前がいい」と嫌がったが、勝手に猫を購入した負い目から最終的には折れた▼猫3匹はそれぞれ仲が良いとはいえず、シシオは去勢手術後、もっぱら2階の僕の部屋で過ごしている。帰宅するとのどを鳴らしてすり寄って来るが、元気が有り余っているのか夜中に突然駆け回り、寝ている僕の顔や腹を踏みつけていく▼動物を飼う以上、愛情と責任を最後まで持たなければならない。人生も後半に入り、子育てが終わったと思ったのに扶養家族がまた増えた。「困った時は助けてくれよ」。犬や猫の頭をなでて出勤する毎日だ。(河)