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コロナ禍に新たな挑戦 田辺市の未来塾5期生がビジネス案

「たなべ未来創造塾」の修了式でビジネス案を発表する第5期生(和歌山県田辺市上の山1丁目で)
「たなべ未来創造塾」の修了式でビジネス案を発表する第5期生(和歌山県田辺市上の山1丁目で)
 和歌山県田辺市の人材育成事業「たなべ未来創造塾」第5期の修了式が13日、田辺スポーツパーク多目的ホール(田辺市上の山1丁目)であった。農家やIT企業社員、菓子職人などさまざまな職業の塾生が地域課題の解決につながるビジネス案を発表。コロナ禍に負けず、新たな挑戦へ一歩を踏み出した。

 5期生は30~40代で、男性8人、女性4人。昨年8月に開講し、12回の講義で地域の課題や資源、自社の強みの生かし方を学んだ。この日は1人3分でビジネス案を発表した。

 肥料の販売などを手掛け、和歌山田辺ドローンスクールの代表でもある野村晃大さん(43)は、農家の減少で取引先が減っている現状を変えるため、農家の収入アップの方法を模索。ドローンを活用した農作業の省力化や簡易販売所の設置、インターネットなどを使った販売網構築などで農家を支援する計画を考案した。

 さいたま市からIターンして田辺市龍神村でケーキ店を経営する榎本大志さん(46)は、地域に人が集う場が少ないことから、子育て世代を対象に、誕生会の開催や菓子作り教室など店を拠点にした小さなコミュニティーづくりを発案。さらに、他の事業者と連携することで、ビジネスと交流の範囲を広げたいという。

 ほかにも、インターネットで資金を集めるクラウドファンディングの海外版を活用して、市場の大きい海外に販路を広げるのを支援するプロジェクトや、配管工事の技術と熊野の水を生かして開発したサウナと熊野古道歩きをセットにしたよみがえりのプロジェクトなど、それぞれの視点を生かしたプランが次々登場した。

 塾長の真砂充敏市長は「未来塾は塾生同士や地域と連携を深めながら、ビジネスを考えているのが特徴。まちづくりの課題の一つが、地域コミュニティーの弱体化。この部分をビジネスでどう解決するか注目したい」とエールを送った。

 「未来塾」は地域課題の解決と地域資源の活用をビジネスの視点から考える人材を育てようと、2016年から始めた。4期までの修了生47人のうち、約7割が新たな事業を生み出している。
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