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ネットの中傷13件削除要請 新型コロナ関連で和歌山県

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県は17日、新型コロナウイルスの感染者らへの誹謗(ひぼう)中傷するインターネット上の書き込みについて、これまでに約6万8千件を閲覧し、13件をプロバイダー(接続事業者)に削除要請したと公表した。しかし実際に削除されたのは1件だけだった。県は引き続き、要請を続けていきたいとしている。

 県は昨年10月から、ネット上の掲示板や会員制交流サイト(SNS)などを中心に、県内に関連した誹謗中傷の書き込みがないか調査している。

 感染者の氏名や企業、団体が特定できる形で書き込まれたものが多かったほか、感染者の集団に対し「死んだらいい」とか、特定の人を名指しし「感染拡大地域に行き、感染して県内にコロナをばらまいた」とかいった書き込みがあったという。

 県はこれら13件について、プロバイダーに削除を要請したが、実際に削除されたのは、特定の感染者を推測できるようにして「殺人鬼だ」などと書いた1件だったという。

 県の原田武男参事は「プロバイダーが人権侵害に当たらないと判断しているのではないか。県では過去の事例や判例などに基づいて、人権侵害に当たると自信を持って削除要請をお願いしている。プロバイダーや業界団体に要請を繰り返し続けたい」と話した。

■関連相談、1月に急増
1年間では38件

 県は昨年2月から1月末までの1年間に、新型コロナに関する誹謗中傷関連の相談が38件寄せられたと発表した。

 県人権政策課や福祉保健総務課、男女共同参画センター、県警本部など県の8部署・機関に寄せられた総数。

 月別の相談件数は昨年2月~12月は0~8件だったが、今年1月は14件に急増した。「第3波」の拡大に伴うと考えられるという。

 相談の内訳(内容によって重複計上)は、49件中「インターネット上の書き込み」12件、「発言や落書き、手紙など」13件、「デマや偏見に関すること」24件だった。相談者は「感染者や濃厚接触者、家族」が33件と全体の7割を占めた。

 相談内容には、感染拡大地域に行っていないのに、行って感染したというデマを流された▽感染した従業員が店で働いているというデマを流された▽感染者が多数発生している地域の知人と会ったことで、周囲から近寄らないでほしいと言われた―などがあったという。

 県は昨年12月施行の新型コロナ誹謗中傷禁止条例に基づき、行為をした人に指導や勧告ができるとしている。刑事事件や損害賠償請求に至る可能性もあり、県の案内で警察や弁護士に相談した人もいるという。

 原田参事は「誹謗中傷は明らかな人権侵害行為で、決して許されるものではない。新型コロナに不安や恐れがあると思うが、それは免罪符にならない。決してしないでほしい」といい、風評被害や誹謗中傷で悩んでいる人は相談してほしいと呼び掛けている。

 「コロナ差別相談ダイヤル」は電話(073・441・2563)、ファクス(073・433・4540)。受付時間は祝日を除く月~金曜の午前9時~午後5時45分。

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