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「思い出残してあげたい」 商工会青年部が無償で新成人撮影

振り袖を着て波打ち際に立ち、撮影に臨む洲賀崎百々さん(右)と夫の優大さん=3日、和歌山県みなべ町で
振り袖を着て波打ち際に立ち、撮影に臨む洲賀崎百々さん(右)と夫の優大さん=3日、和歌山県みなべ町で
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、成人式が中止になった新成人に思い出を残してあげようと、和歌山県のみなべ町商工会青年部が無償で写真を撮り、そのデータを提供する取り組みを始めた。青年部は「撮影以外でも力になれることはやっていきたい」と話している。

■式中止で企画

 町の成人式は当初、1月4日の予定だったが、5月3日に延期。2組に分けて町内のホテルで開催する計画だったが、感染拡大の状況を踏まえて中止になった。対象者は約150人いる。

 「新成人なのは〝今〟しかない。何とか思い出をつくってあげられないか」。青年部長の岩本智良さん(39)=みなべ町晩稲=はそう考え、青年部で協議し、今回の取り組みを企画した。「やにこい20歳のおもひで」と名付けている。

 副部長の冨士利郎さん(42)=同町北道=が理事を務める田辺市のNPO「ブルーレーベル」(那須一徳理事長)が協力する。このNPOはホームページやチラシの作成を手掛けており、写真撮影を得意とするメンバーがいる。

 最初の撮影会は、好天に恵まれた3日にあった。振り袖を着た洲賀崎百々さん(20)=同町堺=は、京都市出身の夫・優大さん(20)と南部海岸でカメラの前に立った。洲賀崎さんは「成人式っぽいことができてよかった」と笑顔を浮かべ、優大さんは「1月にあった地元での成人式には行けなかったので、こういう機会をもらえてありがたい」と喜んでいた。

 岩本さんは「取り組みを通じて『みなべは良い所だ』と思ってほしいし、外へ出ている方にも『戻りたい場所』と感じてもらえるとうれしい」と話している。

 青年部は、いまの全国的な感染拡大の傾向を踏まえ、まずは町内在住の新成人を対象とする。撮影場所は町内(できるだけ屋外)で、服装は問わない。日時は相談に応じる。あまり人が集まらないようにするため、撮影1回につき3人くらいまでにしたいという。現時点では年内いっぱいを期間と考えている。

 新成人の撮影に関する問い合わせは、平日の午前8時半~午後5時15分に、みなべ町商工会(0739・72・3225)へ。
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