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6月初旬までに7割配分へ 新型コロナの高齢者向けワクチン

高齢者向けワクチンの配分状況(紀南分)
高齢者向けワクチンの配分状況(紀南分)
 新型コロナウイルスの高齢者向けワクチンについて、67・7%の人が2回接種できる量が、31日の週までに、和歌山県内に配分されることになった。一方、田辺市への配分予定量は39・5%で、県内市町村で最も少ない。県によると接種態勢の整備が遅れていたためだといい、間もなく解消される見込みという。

 仁坂吉伸知事が11日の定例記者会見で発表した。

 県の65歳以上の高齢者は30万8934人(昨年1月1日時点の住民基本台帳による)。ワクチン配分は4月5日の週に始まっており、5月17日の週までに37・4%が確保される。その後、24日の週と31日の週には計160箱(1箱1170回分)が配分され、67・7%になる見込み。6月最終週までには希望者全員が2回接種できる量が確保され、7月中には接種が完了可能になるという。

 一方、田辺市の5月31日の週までの配分は、39・5%の高齢者が2回接種できる量となる。これは、市町村で最も低く、次に低い紀の川市の56・3%とも差がある。

 田辺市への配分が少ないことについて仁坂知事は「県内で唯一、たくさんワクチンを持っていっても、なかなか打てない状況にあった」と説明。その上で「それでは田辺市の人はまずいので、早く接種できる態勢をつくったらどうかという話をしている。コロナの恐怖から早く逃れたいと思っている人に早くたくさん打ってあげるというのは、クリニックの使命ではないか」といい、医療機関の協力がさらに得られれば、接種が進んでいく見方を示した。

 田辺市の担当者は「ワクチン発注時点では、供給量が未確定の中で、廃棄が出ないよう慎重に対応した。多くの医療機関が個別接種に協力してくれており、接種態勢の整備は進んでいる。次回以降、各医療機関の希望量に応じ発注を増やす。接種が遅れることはないので安心してほしい」と話している。

 県によると、市町村への配分は、今のところ予定通り進んでいる。配分率が100%を超える市町村は、他の市町への融通や、次の対象者用として保管などするという。

 また、仁坂知事は国に対し早期に配分するよう、注文を付けた。「国からは7月末までに全部(高齢者への接種を)終えるようにと話が来ているが、ちゃんと量を送ってくれれば100%打てる。心配しなくても結構なので、早く配分してほしい、それがあなた方の仕事だ、と国に言っている」とした。

■8割が1回接種終了 医療従事者

 医療従事者の接種状況については、対象者約3万7千人のうち、2万8596人(77・3%)が1回目の接種、1万2599人(34・1%)が2回目の接種を終えた。

 15、16日に計17箱(1万9890回分)が国から最終配分される。5月中に1回目、6月中に2回目の接種が完了するという。


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