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高台に串本町新庁舎完成 7月4日に竣工式と内覧会

海抜約50メートルの高台に位置する。写真奥に市街地や潮岬が見える(14日、和歌山県串本町サンゴ台で)=町の許可を得て駐車場からドローンで撮影
海抜約50メートルの高台に位置する。写真奥に市街地や潮岬が見える(14日、和歌山県串本町サンゴ台で)=町の許可を得て駐車場からドローンで撮影
完成した新庁舎(和歌山県串本町サンゴ台で)
完成した新庁舎(和歌山県串本町サンゴ台で)
 和歌山県串本町は12日、同町サンゴ台にある海抜約50メートルの高台で建設を進めていた新庁舎が完成し、7月4日に竣工(しゅんこう)式を開くと発表した。同日には、一般町民らを対象とした内覧会も開催する。新庁舎での業務は、同月26日から始める予定という。


 町総務課によると、同町串本にある本庁舎の本館は1958年の建築で老朽化しており、海抜も約3メートルと低いため、大規模な地震が発生した際には津波被害を受ける可能性が高い。古座川の河口近くにある古座分庁舎(串本町西向)も海抜約3・9メートルと低く、防災力の向上が大きな課題となっていた。

 新庁舎の建設については、旧串本町と旧古座町の合併(2005年)に伴う「新町建設計画」の中で「被災時に町民の命と財産を守り、災害活動の中枢管理機能を果たす拠点」として建設を明記。くしもと町立病院近くの谷を埋め立てて造成した土地に移転をすることを決め、2019年9月から建設工事を進めていた。

 新庁舎の敷地面積は1万3339・33平方メートル。約270台分の駐車場を確保するとともに、うち3426・41平方メートルに、耐震性や耐久性に優れているという「プレキャストプレストレストコンクリート造り」を採用した2階建ての庁舎棟(延べ床面積5442・32平方メートル)と、行政文書などを保管する鉄骨造り2階建ての車庫・書庫棟(同317・06平方メートル)を整備。埋め立て地であることから、建物が沈下しないよう深い場所までくいを打った。

 災害発生後2週間ほどは業務を継続できるよう自家発電装置のほか、飲料水と主に生活用水に使うための大きなタンクを二つを備える。総事業費は約33億円で、合併特例債(約3億円)や緊急防災・減災事業債(約23億8千万円)を活用している。

 新庁舎は今月10日に完成し、現在、備品などを搬入中。竣工式は7月4日午前10時から開く予定で、その後、午後2時~4時半に一般向けの内覧会を開く。申し込みは不要。

 現庁舎での業務は7月21日まで。庁舎の移転・集約に伴い、古座分庁舎は同町田原に発射場を建設中のロケット関連の施設として活用し、本庁舎の跡地は津波避難ビル機能を持った県営住宅が建設される予定。

 田嶋勝正町長は「一日も早い完成を目指して建設を進めてきた。新庁舎は防災の拠点となるとともに住民サービスの向上につながるものと確信している」と話している。

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