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果肉赤い梅「露茜」増産へ 和歌山県うめ研、木の仕立て方を研究

露茜の増産を目指して新たに研究を始めた「片側一文字仕立て」。先端には「NK14」を接いでいる(和歌山県みなべ町東本庄で)
露茜の増産を目指して新たに研究を始めた「片側一文字仕立て」。先端には「NK14」を接いでいる(和歌山県みなべ町東本庄で)
 和歌山県うめ研究所(みなべ町東本庄)は本年度から、果皮や果肉が赤いのが特徴の梅の新品種「露茜」について、増産につながる新たな木の仕立て方法の研究を始めた。加工商材として引き合いが強いが、供給が追い付いていないため収量アップを目指す。


 主にみなべ町の清川や高城地域で栽培されている。シロップや菓子など加工品の原料として注目され、需要は高まっている。

 JA紀州の集荷量は昨年、約10トンの要望量に対し、7・5トンだった。抗酸化作用があるといわれるアントシアニンの含量が多いのも特徴だが、栽培面では樹勢が弱く、収量が少ないのが課題で、着果が多いと枯死することもあるという。

 慣行の樹形である「開心自然形」では樹勢が落ちて枯れやすいため、新たに「片側一文字仕立て」と呼ぶ、主幹を横に倒して伸ばし、実のなる枝を上に向かって出すようにする。

 さらに、主幹の先端には、「NK14」といった樹勢の強い品種を接ぎ木する。そうすることで、先端に接いだ樹勢の強い品種が養水分を引っ張り、露茜の枝にも養水分が行き渡りやすく、樹勢の維持や収量増加につながると考えているという。

 接ぎ木はどの品種が最適か、「NK14」のほか、「南高」やスモモの「ハリウッド」、スモモと梅を交配した「紅の舞」で試験する。

 主幹を倒した「片側一文字仕立て」は木を低くすることで、作業性の向上にもつながるという。肥料や水の量についても試験する。研究は、研究所内のほか、清川の農家の園地でもする。研究によって、10アール当たりの収量で約2倍を目指す。

 担当する土田靖久主任研究員(50)は「樹勢を維持する安定生産の技術を確立し、広く農家に取り組んでもらえるようにしたい」と話す。

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