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ワクチン2回で全員に抗体 新型コロナ、医療関係474人調査

 和歌山県内の病院(1機関)が、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した医療従事者474人の抗体値を調べたところ、全員が有効とされる数値になったことが分かった。一方、1回接種だけでは効果が十分と言えず、県福祉保健部の野尻孝子技監は「2回接種を心掛けてほしい」と話した。


 病院の調査データを県がまとめ、20日に発表した。調査では、ワクチン接種で得られる抗体の数値をみた。感染した場合、この数値が「15ユニット/ミリリットル」を超えると、再感染を抑える「中和抗体」ができるとされることから、ワクチン接種の場合もこの数値を目安に考えた。

 病院が2回接種後3~4週間後に医療従事者を調べたところ、全員が「15ユニット/ミリリットル」を超えていた。さらにこのうち98%の人は、今回の検査の上限値である「250ユニット/ミリリットル」以上となった。数値が高いほど、効果が長く持続すると考えられるという。

 一方、1回接種後についても調べたところ、一定期間後に「15ユニット/ミリリットル」以上となった人は24%だった。

 野尻技監は「1回接種だけでは十分に発症を予防するだけの抗体はついていない可能性がある。2回接種後、3週間以上経過すればかなりの確率で発症リスクは減少すると推察する」と話した。

 また、過去に感染した人についても調べたところ、感染後に抗体値が上昇していない事例があったという。上昇した人も、全体的に次第に抗体値が減少しているといい「発症や重症化のリスクを抑えるため、感染者もワクチンを接種することが望ましい」と話した。

 この病院では、6カ月後にも医療従事者を対象に調査し、ワクチンで得られる抗体がどれくらい持続するかをみたいとしている。

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