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「山本氏」特集の冊子発行 上富田文化財の増刊号

山本氏についてまとめた「上富田文化財」の増刊号
山本氏についてまとめた「上富田文化財」の増刊号
 和歌山県の上富田文化の会(岩橋幸大会長)は、中世に紀南地方で勢力を伸ばした領主、山本氏についてまとめた冊子(A4判、86ページ)を発行した。

 冊子は、同会が発行している「上富田文化財」の増刊号。著者は町教育委員会で文化財などを担当し、文化の会事務局を務める大谷逸人さん(65)。「『山本氏』 最期まで秀吉にはむかった男 市ノ瀬龍松山城主 山本主膳正保忠」と題している。

 山本氏は、室町幕府の奉公衆(将軍直属の御家人)を務めた領主。上富田町を中心に富田川筋を支配して勢力を誇っていた。羽柴秀吉の紀州攻めに対し、徹底抗戦したことで知られる。本拠である龍松山城の城跡(上富田町市ノ瀬)は、4月に県指定文化財になっている。

 大谷さんによると、増刊号では山本氏の一族の興りから終わりまで、分かっている範囲の情報を整理してまとめた。鎌倉時代から戦国時代に活躍したが、資料がほとんど残っていないため不明な点も多く、町内でも山本氏のことはあまり知られていないという。

 大谷さんは「少しでも多くの人に、この地域に山本氏がいたことを知ってもらいたい。郷土の歴史に興味や関心を持ってもらうことで、文化財を大切に守り、未来に継承していけたら」と話している。

 増刊号は1冊千円。地元の図書館に寄贈したほか、上富田文化会館にある町教委の窓口でも販売している。

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