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カツオのケンケン漁好調 コロナ禍で安値続く

漁船から次々と市場に運び込まれるカツオ(26日、和歌山県すさみ町周参見で)
漁船から次々と市場に運び込まれるカツオ(26日、和歌山県すさみ町周参見で)
 カツオ漁が盛んな和歌山県紀南地方の主要3漁港(田辺、すさみ、串本)で、ケンケン漁(ひき縄漁)が好調だ。今年の水揚げ量は20日現在で計475・4トンと、すでに昨年1年間の2倍以上となっている。一方で、コロナ禍による店舗の時短営業などの影響で売れ行きが落ち込み、取引の値段は安値となっている。漁業関係者は大漁を素直に喜べない状況だ。


 県水産試験場(串本町)によると、3漁港のカツオの水揚げ量は、昨年10月から好調が続き、今年3月だけで235・6トンを記録した。昨年1年間の水揚げ量は182・8トンだった。

 和歌山南漁協すさみ支所(すさみ町周参見)では例年、今の時季のカツオの値段は1キロ当たり300円台だが、今季は100円台後半まで落ちている。主な原因はコロナ禍で店舗や宿泊施設が休業や営業時間の短縮をしているため。その上、全国的にカツオの水揚げ量が増えていることも安値に拍車を掛けているという。

 80代の漁師は「約70年間、カツオ漁をしているが、値段が100円台にまで下がったのは初めて。船の燃料代を引いたら全くもうけにならん」と嘆き、別の漁師は「カツオは取れるが、安いからイカに切り替えた」と話した。

 試験場によると、カツオの日本近海への来遊量は近年減っており、3漁港では2014年から不漁。17年8月から始まった黒潮が紀伊半島から離れて流れる「黒潮大蛇行」が追い打ちをかけていた。

 3漁港の過去のデータで、水揚げ量が最も多かったのが00年の1957・5トン。最も少なかったのは18年の138・6トン。今年は不漁が始まる前の13年に記録した500・9トンを超える勢いだ。

 試験場の山根弘士主査研究員(37)によると、カツオの水揚げが増えた昨年10月、一時的に黒潮の流れが紀伊半島に近くなったが、11月には元に戻ったという。「現在揚がっているカツオは2~3キロが中心。秋漁で揚がるカツオのように脂が乗っている。水揚げが全国的に増えている理由は分からない」と話した。

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