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売電収益は地域づくりに 小水力発電の工事進む

工事が進んでいる小水力発電の整備現場(15日、和歌山県田辺市上秋津で)
工事が進んでいる小水力発電の整備現場(15日、和歌山県田辺市上秋津で)
 和歌山県田辺市上秋津の右会津川で、地元の一般社団法人「ふるさと未来への挑戦」が小水力発電の稼働に向け、工事を進めている。売電収益は、地域づくりに生かす計画で、この事業を応援してもらおうと、インターネットを通じたクラウドファンディング(CF)で資金を募っており、25日まで受け付けている。

 上秋津はミカンや梅を栽培する農村地域。地元で立ち上げた農業法人「きてら」「秋津野」「秋津野ゆい」が、農産物直売所や廃校舎を活用した都市農村交流施設の運営、農業の人材育成、スマート農業などに取り組んでいる。

 「ふるさと未来への挑戦」はこれまで、耕作放棄地を利用して太陽光パネルを設置、その発電からの収益で地域づくりを支援している。今回新たに、かつて地域内にあった水力発電所を復活させ、その売電収益も地域づくりに生かすプロジェクトに取り掛かった。事業費は約2千万円。

 小水力発電を整備している場所は、川上神社近くの右会津川左岸。フランス製の10キロワット小水力発電機を2台設置する。工事は3月下旬から始まっており、海外からの輸送の遅延や梅雨の増水の影響などで、当初予定していた7月からの稼働より1カ月程度遅れているが、発電機の部品の一部が取り付けられるなど、工事自体は順調に進んでいるという。

 クラウドファンディングの目標額は300万円。15日現在、72人から約170万円が集まっている。資金協力への返礼には、農家レストランのランチバイキングチケット、地元産ミカン100%ジュース、都市農村交流施設秋津野ガルテンの宿泊とミカン狩り体験券などを用意している。

 インターネットを通じた資金協力の申し込みは不安という人には「ふるさと未来への挑戦」の事務局がある、秋津野ガルテン(田辺市上秋津)に直接、協力金を持参してもらえると対応するという。

 ふるさと未来への挑戦の原和男代表は「これまで事業に理解を持って応援してくれた方々にお礼を申し上げたい。さらに、クリーンエネルギー、地域づくりに関心を持つ方のご支援を頂けるとありがたい」と話している。

 問い合わせは秋津野ガルテン(0739・35・1199)へ。

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