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手作りマスク1200枚配る 印南の山口さん、子どもらに

手作りしたマスクを手にする山口澤子さん。ジッパー付きのケースに入れてプレゼントしている(和歌山県印南町印南で)
手作りしたマスクを手にする山口澤子さん。ジッパー付きのケースに入れてプレゼントしている(和歌山県印南町印南で)
マスクのお礼に子どもたちからメッセージ付きの絵などももらっている
マスクのお礼に子どもたちからメッセージ付きの絵などももらっている
 和歌山県印南町島田の山口澤子さん(83)は、昨年2月ごろから新型コロナウイルス対策のマスクをミシンで作り続け、周囲に配っている。その数は既に1200枚を超え、このほど近隣の二つの小学校にも全児童の分をプレゼントした。山口さんは「少しでも地域の子どもたちの役に立てているならうれしい」と話している。


 新型コロナにより全国的にマスクが品薄になったため、趣味の裁縫を生かして自宅で作るようになった。近所の衣料品店で肌当たりの良い布を買い、両端をバイアステープで仕上げる。所要時間は1枚当たり10分程度。作ったマスクはすべて周囲の人たちに配ってきた。

 学校へ寄贈することになったきっかけは、今年1月に近所の医院で小学生の子どもを連れた女性と出会ったこと。子どもが柄物のマスクを欲しがったため、女性が不慣れながら手作りしたと聞いた。それまで山口さんは大人用だけを作っていたが、子ども用サイズを作ることに転換。共働き家庭などの助けになればと、最初に町全域対象の学童クラブ(印南)に120枚を贈った。

 また、餅つきといった行事で交流のある地元の切目小学校(77人)に、全児童に2枚ずつ行き渡る160枚を寄贈。黄緑色にパンダの絵の入った布を店で取り寄せてすべて同じ柄にした。

 引き続き、通院や買い物の際に児童を見掛けることの多い印南小学校(146人)にも計146枚を寄贈。パンダの絵の他、ピンク色系の柄の2種類を贈った。

 この他、町シルバー人材センターで派遣された仕事先で、出会った子どもたちにもプレゼントしている。同じ子ども用でも、低学年用と高学年用でサイズを変えるなど、より使ってもらいやすいよう工夫しており、マスクのお礼にとメッセージ入りの絵をもらうなどし、感激しているという。

 山口さんは「新型コロナで自分も出掛けられないことから始めたマスク作りだった。自分がしたくてしていることに、お礼の言葉をもらえるのをうれしく感じる」と話している。

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