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モンドセレクションで最高金賞 串本の「なんたん水」2回目

モンドセレクションの最高金賞を受賞した串本町のなんたん水(和歌山県串本町串本の町役場で)
モンドセレクションの最高金賞を受賞した串本町のなんたん水(和歌山県串本町串本の町役場で)
 和歌山県串本町が東日本大震災(2011年3月)をきっかけに製造販売を始めた災害用備蓄水「なんたん水」が、国際的な品評機関「モンドセレクション」の審査で2021年の最高金賞を受賞した。最高金賞は18年に続いて2回目。田嶋勝正町長は「大震災からちょうど10年の年に最高金賞を改めて頂いた。住民の皆さんの備蓄水に対する意識も高くなってきている」と話している。

 本州最南端の町にちなんで名付けた「なんたん水」は、同町でも大きな被害が想定されている南海トラフを震源とする大規模地震が発生した際、特に重要になる「水」を確保するための備えになればと、11年度から製造販売を始めた。

 日本清流百選・平成の名水百選に選ばれている古座川の水を原水に「膜ろ過方式」という浄化システムで作った水道水で、軟水で口当たりがまろやかであるほか、熱処理によって保存期間が5年間と長いのが特徴。製造は三重県桑名市の業者に委託。町では500ミリリットルのペットボトル入りを1本100円(税込み)で販売している。

 11年度から20年度までの製造本数は累計31万7880本で、30万3383本を販売した。

 20年度の販売本数は前年度比4211本増の3万6980本で、売上高は過去最高の330万7112円。売上高から製造委託料を引いた「利益」は98万832円だった。町水道課によると、コロナ禍の影響で町内を訪れる修学旅行が増えたことに伴い、町内の宿泊施設でなんたん水を提供したケースが増えたことが大きかったという。

 モンドセレクションでは「ビール、飲料水&ソフトドリンク」という部門で「見た目」や「味」といった五つの評価基準の平均得点が90点以上だったことから最高金賞を受賞した。

 なんたん水は、町役場のほか、町内ではホテル&リゾーツ和歌山串本や大江戸温泉物語南紀串本、道の駅「くしもと橋杭岩」など、町外では東京都千代田区にある「わかやま紀州館」などで取り扱っている。

 問い合わせは、町水道課(0735・72・0082)へ。

■新パッケージも計画 ロケット発射に合わせ

 町は、同町田原の民間小型ロケット発射場から本年度中に初号機が発射されることに合わせ、漫画「宇宙兄弟」とコラボした新しいパッケージのなんたん水を作ることを計画している。

 490ミリリットルのアルミ缶の商品にし、保存期間も10年ほどに長くなる予定。田嶋町長は「ロケットを見学に訪れた方らに記念として買っていただければうれしい」と話している。

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