和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

ボウズハゼの遡上始まる 紀南の河川で壁登り

水が流れ落ちるせきの壁を登るボウズハゼの群れ(和歌山県の紀南の河川で)
水が流れ落ちるせきの壁を登るボウズハゼの群れ(和歌山県の紀南の河川で)
 魚類界のクライマーともいわれるボウズハゼの遡上(そじょう)が、和歌山県紀南地方の河川で始まった。壁がある所では、よじ登る姿が見られる。今年は例年より1週間から10日ほど早いという。

 ボウズハゼは最大で全長15センチ前後になる。全体的にぬめっとしている。頭が丸みを帯びていて主食が藻類であることから僧侶になぞらえて名付けられたといわれる。

 ボウズハゼは河川で産卵して、ふ化した稚魚は海に下る。やがて餌を求めて群れで川を遡上して上流を目指す。途中、せきや滝に出くわすと、口や吸盤状の腹びれを使って壁にへばりつき登っていく。もぞもぞと体を動かし、タイミングを見計らって勢いよくジャンプする。水の流れに押し流される個体もいるが何度も挑戦する。古座川町小川にある県の名勝・天然記念物「滝の拝」の岩登りは有名。

 田辺市のふるさと自然公園センター観察指導員は「今見られるのは全長5センチほどの若魚。会津川(田辺市)や日置川(白浜町)など身近な河川でも遡上している。小さな滝やせきを探せば岩登りを観察できるかもしれない」と話している。

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