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マダニの感染症に注意 活動が活発な時期迎え

吸血後のヤマアラシチマダニの雌(県立自然博物館提供)
吸血後のヤマアラシチマダニの雌(県立自然博物館提供)
 マダニの活動が活発になる時期を迎えた。県は、マダニが感染症の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」などを媒介するため、かまれないように注意を呼び掛けている。今年はこれまでに田辺保健所管内を含め県内で5件の感染が確認されている。秋ごろまで注意が必要という。


 SFTSは、2011年に世界で初めて特定されたウイルスで、国内では13年に初確認された。主にウイルスを持ったマダニにかまれて感染する。6日から2週間程度の潜伏期間の後、発熱や食欲低下、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などになることが多い。意識障害や失語、リンパ節の腫れ、せきなどの症状を起こすこともある。致死率は10~30%程度とされる。今のところ有効なワクチンはない。

 県内では14年に初確認され、14年2件、15年1件、16年5件、17年3件、18年6件、19年3件、20年4件の報告がある。

 今年は8月3日時点で5件。過去2年をすでに上回っている。田辺保健所管内では70代男性と50代女性が感染した。このほか、和歌山市でも3件確認されている。

 一方、マダニが媒介する病気としては「日本紅斑熱」もある。2~10日の潜伏期間を経て39~40度の高熱が出るほか、赤い斑点が手足から全身に広がる。

 県内での報告件数は17年に過去最多の51件あり、以降は18年32件、19年30件、20年28件と、30件前後で推移している。今年は8月3日時点で21件となっている。

 県はこれら感染症への予防として、マダニが生息する草むらや山野などに入る際は、防虫スプレーなどを使用し、肌を露出しない服装や足を完全に覆う靴などを着用する▽帰宅後はすぐ身体を洗い、新しい服に着替える▽マダニにかまれた痕がないか確認すること―が必要という。もし、吸血中のマダニを見つけたときは無理に引き抜かず、できるだけ医療機関を受診するよう呼び掛けている。

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