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作柄良く価格も安定 JA紀州、今季の青梅販売

JA紀州を通じて全国の市場に出荷される南高梅。今季の数量は平年並みだった(和歌山県みなべ町気佐藤で)
JA紀州を通じて全国の市場に出荷される南高梅。今季の数量は平年並みだった(和歌山県みなべ町気佐藤で)
 今季、和歌山県のJA紀州を通じて全国の市場に出荷された南高梅の数量は、約2400トンで平年並みだった。価格は序盤から高値となり、中盤以降も大きくは下がらなかった。農家らは「今季の状況は農家にとって良かった」と喜んでいる。


 みなべ町や印南町などの農家が、南高梅の青梅をJA紀州の総合選果場や集荷場に持ち込み、それをJAが関東や中京、関西の主要市場に出荷している。今季は5月26日から始まり、7月5日に終了した。

 JA紀州販売部によると、今季の出荷量約2400トンは、不作だった昨年の約1300トンや2年前の約2100トンより多く、平年並み。当初の目標の2500トンに少し足りなかったが、「市場の要望に近い量を出荷することができた」という。

 作柄は当初、日高果樹技術者協議会による着果調査では平年より「多い」となるなど、豊作が予想されていた。実の多さに加え、4~5月に雨が多かったことで序盤の出荷分は実太りが良かったが、6月に雨が少なかったことで中盤からの実太りが鈍り、収穫量に影響した。雨風が強い日が多かったことで、傷や病気の発生が心配されたが、それほどでもなかったという。みなべ町清川や高城地域などの一部ではひょうの被害があった。

 一方、価格は初売りの3L秀品で10キロ当たり8100円(税込み)となり、不作で高値となった昨年の初日と同額となった。6月中旬まで8千円前後の安定した価格が続き、それ以降も大きくは下がらなかった。

 販売面で、昨年に続き新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、インターネットを活用した産地情報の発信や動画による講習会の開催に力を入れ、量販店や生協に売り込み、消費拡大に取り組んできた。販売部は「梅の販売を待ってくれている多くのファンに支えられた」としている。

 JA紀州みなべいなみ梅部会の舟越公康部会長(52)は「今季はある程度の量が収穫でき、価格は思ったより高くなった。これもJAや市場が努力してくれ、農家も一定の量を出荷した。一体となって頑張った結果だと思う」と話す。

 販売部の岡田壮部長(52)は「ブランドを守るためには全国に安定して出荷することが大切。梅のファンに喜んでもらえるよう、今後も梅部会の協力を得て良い梅を届けていきたい」と話している。

■露茜は豊作

 果皮や果肉が赤いことが特徴の「露茜」のJAを通じての出荷も7月上旬に終わった。シーズン中の出荷量は約22トンで、不作だった昨年約7トンの約3倍。2年前の約8トン、3年前の約10トンと比べても大幅に多かった。清川出荷会露茜部会の桑畑和也部会長(45)は「今季の豊作はうれしい。来年以降も同じぐらいの量が出荷できるよう頑張りたい」と話している。

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