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B29墜落の資料展示 龍神村の「ささやか館」

「ささやか館」に展示されているB29に関する資料(和歌山県田辺市龍神村殿原で)
「ささやか館」に展示されているB29に関する資料(和歌山県田辺市龍神村殿原で)
 和歌山県田辺市龍神村殿原にある旧殿原小学校「ささやか館」に、太平洋戦争末期に地元の山中に墜落した米軍爆撃機B29関連の資料が展示されている。15日に終戦記念日を控えたこの時季は夏休みということもあり、他の時季より訪れる人が多い。

 ささやか館は殿原小が閉校となった際、地域のさまざまな活動の拠点になるようにと、地元住民が市の許可を得て開設。維持管理に努めている。

 1階の空きスペースに、B29に関わる資料を展示したのは6年ほど前。年間約300人が訪れる。地元で見つかった機体の残骸の一部や一般の人から寄贈されたB29の模型、搭乗兵の集合写真、神父と僧侶が合同で執り行っている慰霊祭の様子を写した写真などを並べており、自由に見学できる。今年6月に米国のジョセフ・ヤング駐日臨時代理大使夫妻が搭乗兵の慰霊碑に献花したことを報じた、新聞の切り抜きも展示している。

 館の運営に当たる地元住民の一人で、B29墜落に関する調査や語り部を続け、著書もある郷土史家の古久保健さん(83)によると、以前に東京空襲を語るグループの関係者から「その土地で資料を残す方がよい。後世の人への土産になる」などの助言を受けたこともあり、地元で資料を展示することにした。

 古久保さんは「なぜ命の取り合いをする戦争が起きるのか、深く考えなければならない。教育も大事だし、主権者としての自覚を持つことが大切で無関心はいけない。自らが平和を愛する人にならなければいけないと思っている」と話している。

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