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県内地価上昇の住宅地 印南、串本の2地点のみ

表・県内地価の上昇率と価格の上位地点
表・県内地価の上昇率と価格の上位地点
 県は21日、7月1日時点の地価を発表した。前年からの平均変動率は、住宅地が1991年から31年、商業地が92年から30年連続で下落した。地価が昨年より上昇したのは、住宅地では津波被害の恐れの少ない印南町と串本町の高台の2地点だけ、商業地は8年ぶりにゼロとなった。 (2面に関係記事)

 調査対象としたのは住宅地や商業地など213地点。このうち、昨年以前から継続して調査している住宅地148地点の平均変動率は、昨年と同じマイナス1・4%。商業地は、43地点の平均変動率がマイナス1・2%。2年連続で下落率が拡大した。

 変動率の全国順位は、住宅地は42番目(昨年37番目)、商業地は28番目(昨年26番目)。近畿6府県では、住宅地、商業地とも、最も低かった。県は県内の地価下落が長年続いている要因について、少子高齢化が進んでいることや地域経済の低迷、自然災害への懸念を挙げた。また、今年については、新型コロナウイルス感染症の影響も考えられるという。

 住宅地で昨年から地価が上昇した地点は、昨年より2地点少ない2地点だった。1カ所は「印南町印南菖蒲谷2763番16」。2万4500円(1平方メートル当たり)で、昨年より200円(0・8%)の上昇となった。昨年から調査対象となった地点で、津波の浸水被害の恐れが少ない高台にあり、町の中心部に近く、需要が堅調という。

 もう1カ所は「串本町上野山218番」で、2万6100円。昨年より100円(0・4%)上がった。横ばいとなったのは和歌山市11地点、田辺市3地点、岩出市2地点、白浜町と串本町の各1地点の計18地点。残りの128地点で下落した。

 商業地の価格上昇地点は、昨年は3地点あったが、今年はなかった。横ばいは和歌山市9地点、田辺市2地点の計11地点、残りの32地点は下落した。

 住宅地で下落率が大きかったのは、津波被害が心配される海岸近くや街路条件が悪い、少子高齢化が進んでいるなどの地点。商業地では海岸近くや郊外型店舗などへの顧客流出の影響を受けている地域、衰退傾向が強い商店街のほか、新型コロナの影響を受けた歓楽街でも下落した。

 一方、最高価格は、住宅地では9年連続で「和歌山市吹上4―2―36」となった。和歌山城の南方にある閑静な住宅地で人気が高く、価格は昨年と同じ19万4千円。

 商業地のトップは、23年連続でJR和歌山駅前の「和歌山市友田町5丁目50番外」で、価格は昨年と同じ44万2千円。周辺で再開発事業が進められている県内で最も繁華な地域という。住宅地、商業地とも、上位5地点はいずれも和歌山市内だった。
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