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かやぶきの古民家を改修 龍神村で知人らにお披露目

お披露目会で招待客をもてなす李先捷さん(右から2人目)=和歌山県田辺市龍神村広井原で
お披露目会で招待客をもてなす李先捷さん(右から2人目)=和歌山県田辺市龍神村広井原で
 和歌山県田辺市龍神村広井原にある、シンガポール出身の李先捷(リー・シェンジェ)さん(31)が住むかやぶきの古民家の改修工事が完了。このほど、李さんが世話になった龍神村内の知人らを招き、お披露目会をした。龍神村産の茶を味わう茶会も開いた。

 李さんは、早稲田大学に留学して日本の政治について学んだ。その後、京都市で日本人と旅行会社を起業。以前から日本の茶に興味があり、茶の文化の情報発信をしている龍神村福井の森口周さん(69)と知り合った。茶の木が各地に残っていて、山や川の自然が豊かな龍神村が気に入り、古民家を紹介されて今年春に移住してきた。

 古民家の改修は、地元の大工に依頼し、いろりの部屋も造った。各部屋を仕切る障子には和紙を使いたいと、かつて地元で盛んに生産されていた山路紙を使った。

 山路紙は戦後途絶えていたが、復活させた龍神村東の造形作家、奥野誠さん(68)と妻の佳世さん(70)が今回の改修に際して提供した。

 お披露目会に奥野さん夫妻も招かれた。誠さんは「今は家を新築しても障子を作ることが少なくなってしまった。李さんが山路紙を用いてくれてありがたいと思う」と話した。

 李さんは、カメラやドローンで龍神村の風景を撮影し、インターネットを活用したオンラインツアーも手掛けている。この日は、これまでに空撮した風景をプロジェクターを使って山路紙の障子に投影し、招待客に観賞してもらった。

 森口さんは招待客に、発酵茶の生のプーアール茶や母親が作った番茶を振る舞った。

 李さんは招待客を前にあいさつで「龍神村に暮らして半年。多くの人に巡り合って地元の人に助けてもらって感謝しています」と話した。将来はこの古民家で、茶を出すカフェをすることも考えているという。

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