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熊野古道沿いに新宿泊施設 田辺市中辺路町高原

熊野古道沿いにオープンした「SEN. RETREAT TAKAHARA」(和歌山県田辺市中辺路町高原で)
熊野古道沿いにオープンした「SEN. RETREAT TAKAHARA」(和歌山県田辺市中辺路町高原で)
 和歌山県田辺市中辺路町高原の熊野古道沿いに、新たな宿泊施設「SEN.RETREAT TAKAHARA(センリトリート タカハラ)」が開業した。ゆくゆくは中辺路町と同市本宮町、新宮市熊野川町の古道近くに計4施設を整備する予定といい、運営会社は「宿不足を解消し、気軽に熊野古道を歩いてもらえるようにしたい」と話している。


 施設を運営するのは、不動産開発などを手掛ける「日本ユニスト」(今村亙忠社長、大阪市西区)。同社によると、コロナ禍までは多くの外国人旅行客らが熊野古道を訪れていたが、歩きやすいハイシーズン(春と秋)には満室となる宿泊施設が多く、宿泊先が見つからないと途中で巡礼ができなくなるなどの課題があったという。

 そこで、「コロナ後」を見据えて熊野古道周辺に計四つの宿泊施設を整備し、一括で予約できるシステムの導入を計画。中辺路町高原のほか、2022年9月までに中辺路町近露と本宮町渡瀬、熊野川町西での開業を目指しており、完成すれば各宿に泊まりながら滝尻王子―熊野本宮大社や滝尻王子―熊野那智大社の2ルートを完歩できるようになるという。

 このほど開業した「SEN.RETREAT TAKAHARA」は、空き家となっていた古民家を改装。木造の3棟があり、木のぬくもりを感じられる内装に仕上げている。5室の客室(和室)があり、最大宿泊人数は10人。各部屋に専用のトイレがあり、屋外にもシャワー室を設けるなど、古道客が快適に過ごせるような工夫を凝らしている。

 屋外にはテラスやバーベキューセットがあり、家族やグループでの利用も想定して1棟貸し(3室、1泊4万円から)にも対応している。来年春までは、この1棟貸しのみで運営する。

 今村社長(39)は「空き家対策や地域での雇用創出、連泊することによる地域経済の活性化なども視野に入れた取り組み。四つの施設では、それぞれの地域の特色を感じてもらえるサービスも提供していきたい」と話している。熊野古道への誘客を目指し、大阪市で運営するホテルと連携したプランも検討しているという。

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