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「紀州騎士」の上映スタート まず串本の田並劇場から

上映初日の舞台あいさつをする中野広之監督(右)と主演の七海薫子さん=和歌山県串本町田並の田並劇場で
上映初日の舞台あいさつをする中野広之監督(右)と主演の七海薫子さん=和歌山県串本町田並の田並劇場で
 心を痛めた少女が大人になって新聞記者になり、多くの人と接する中で自分の道を見つけていく映画「紀州騎士~きしゅうでないと!~」の上映が10月30日から始まった。初日となった和歌山県串本町田並の田並劇場では中野広之監督(54)と主演の七海薫子さん(39)が舞台あいさつに立ち「少しでも生きやすい社会をつくるために多くの人に見てもらいたい」と話した。

 同日開幕した「紀の国わかやま文化祭2021」の一環。すさみ町出身の七海さんは子どもの頃人前でうまくしゃべれず、つらい思いをしたりいじめられたりした。それを克服した経験を原案にこの作品が作られた。

 老舗のしょうゆ蔵の娘が新聞記者として県内各地を取材し、人の温かさに触れたり、自然や文化、グルメなどに出合って和歌山の魅力を再認識していく。俳優の原田龍二さんや工藤堅太郎さん、田辺市出身の俳優小西博之さんらが出演。家族愛や紀州人の人情も描かれる。七海さんは「和歌山の人に和歌山の良さを知ってもらいたい」とも話した。

 田並劇場に続いて、31日には上富田町市ノ瀬の興禅寺で上映されたほか海南市、和歌山市、かつらぎ町での上映も予定されている。

 田並劇場は、1950年代に建てられた元劇場をIターンした現代美術家が修復した建物で、地元の文化の拠点として活用されている。

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