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「宝印」押し始め 熊野本宮大社で八咫烏神事

神事の参列者に授与するため、宝印を和紙に押す神職(7日、和歌山県田辺市本宮町で)
神事の参列者に授与するため、宝印を和紙に押す神職(7日、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社は、正月三が日に神門前に飾った門松で作った「熊野牛王宝印」の押し始め神事「八咫烏(やたがらす)神事」を営んだ。新型コロナウイルス対策として7、8日の2回に分けて行い、参列者は厄よけや一年の健康などを願って宝印を授かった。

 県指定無形民俗文化財で、毎年1月7日に実施している。例年では200人ほどが参列しているが、新型コロナ対策で人数を制限し、昨年は5回に分けて執り行った。

 神事は午後5時から拝殿で始まった。神職が火と水で「熊野牛王神符」を清めたり、暗闇の中で「えーい」という声を上げ、宝印を拝殿の柱に3度押したりした。

 例年ではその後、集まった参列者一人一人が持つ和紙に神職が力を込めて宝印を押しているが、今回は感染防止のため、昨年と同様に神職が押印したものを参列者に授けた。

 20年ほど前から毎年参列しているという北九州市の女性(74)は「この神事に来ることで、また一年が始まった気持ちになる。今年も健康で、仕事が順調に進めばと願っている。これからも毎年必ず来たい」と話した。

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