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【詳報】入院待機2千人超に 新型コロナ、和歌山県

 和歌山県は26日、県内で新たに347人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。22日の323人を上回り、過去最多となった。県福祉保健部の野尻孝子技監は「感染拡大の歯止めがかからない状態」といい、今後も感染者が増加する可能性を示した。入院待機者は全ての保健所管内で発生しており、県全体では2千人を超えて2048人となった。

 保健所管内別の新規感染者は和歌山市227人(過去最多)、岩出36人、橋本28人、御坊24人(同)、海南9人、田辺と湯浅が各8人、新宮4人、県外在住が3人。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は過去最多を更新し221・4人。保健所管内別では和歌山市が360・3人(過去最多)、岩出175・6人(同)、橋本165・7人、御坊147・9人(同)、海南133・0人(同)、湯浅131・5人、田辺97・9人、新宮57・7人。

 新たなクラスターは3件で、県内の合計は130件となった。田辺管内では、田辺市上の山2丁目と同市新庄町にある「丸長水産」の従業員9人の感染が判明。9人ともワクチン接種済みで、感染予防対策を徹底していたが、感染力の強さが影響したとみられるという。全従業員約50人を検査している。

 このほか、和歌山市の有料老人ホーム「きしゅうの里」では入所者5人と職員3人、紀の川市の介護事業所「一織庵デイサービス打田」では利用者8人と職員1人の感染が分かった。

 さらに、すでにクラスターに認定されている和歌山市の介護老人保健施設「サニーホーム」では、感染者が10人増えて49人となり、過去最多のクラスターとなった。白浜町富田の「成華苑デイケアセンター」では利用者4人の感染が新たに分かり、14人となった。同施設関連では約150人を検査しており、うち105人の陰性を確認している。

■入院の優先度を厳格化

 入院者は594人で、635床(うち臨時病床15床)の使用率は93・5%。入院待機者が増加を続ける一方、救急対応のために病床を現状より空けておく必要もあるといい、入院の優先度を、より重症化リスクが高い人に絞っていく。

 入院待機者は、重症化の恐れがある人にも及んでおり、すでに介護施設などで、そのまま治療を受けるケースも出ているという。

 野尻技監は「感染者数が多い地域は、市中感染が起こっていると理解してほしい」と話した。透析患者らを含め、抵抗力が弱い人への感染拡大もみられるといい「感染しないことが自身だけでなく、周りの人の命を守ることになる。単なる風邪と思わないでほしい」と対策の徹底をあらためて訴えた。

 重症者は2人増え9人。うち1人は岩出管内の60代男性で基礎疾患はない。息苦しさなどを訴え、救急受診したという。ワクチン接種の有無は調査中。

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