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和歌山県南部でスズメ激減 農耕地減少が要因か

田んぼに飛来するスズメの群れ。その規模は以前より小さくなっている(和歌山県白浜町平で)
田んぼに飛来するスズメの群れ。その規模は以前より小さくなっている(和歌山県白浜町平で)
 民家の周辺など、身近な所で繁殖するスズメが和歌山県紀南地方で激減している。十数年前までは大集団で越冬する姿が見られたが、今は群れを見つけてもその規模は小さい。日本野鳥の会県支部幹事の津村真由美さん=田辺市秋津町=は「餌場である農耕地の減少が大きな要因だと思う。山間地に集落がなくなっているのも影響しているのだろう」と話している。


 全国で鳥類の調査や情報収集などを行う民間団体「バードリサーチ」(東京都)のデータによると、同一箇所の調査結果で1990年代と2010年代の比較では、個体数が約3万1千羽から約2万1千羽へと大きく減少している。

 津村さんは「以前は夕方になると河原のやぶなどに集まって鳴き合う『スズメの御宿』が見られたが、近年は見なくなった」と心配する。河原にやぶがなくなっているのもあるが、絶対数が減っていると指摘する。紀南地方ではかつては千羽以上の群れが見られたが、今は大きくても200~300羽ほど。今後もさらに減少する可能性が高く、動向に注目していきたいという。

 スズメは全長約14~15センチ、体重24グラムほど。小笠原群島を除く全国に留鳥として分布しており、農耕地や市街地、住宅地など人間の居住地近くに生息する。人家の軒や瓦の間、電信柱や信号機の腕金などを利用して繁殖する。

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