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初号機打ち上げに向けHP公開へ スペースポート紀伊協議会

ロケット初号機発射に向け、誘客や渋滞対策について話し合った協議会の臨時総会(29日、和歌山県那智勝浦町勝浦で)
ロケット初号機発射に向け、誘客や渋滞対策について話し合った協議会の臨時総会(29日、和歌山県那智勝浦町勝浦で)
 今年の年末ごろを目指している和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」からの初号機発射に向け、誘客や渋滞対策などについて話し合っている「スペースポート紀伊周辺地域協議会」(会長・下宏副知事)の臨時総会が29日、那智勝浦町内のホテルであった。2カ所の公式見学場(計5千人収容)に入場できるチケットやオフィシャルツアーの販売につなげるため、初号機打ち上げを見学する「応援会」の専用ホームページ(HP)を6月ごろに公開する予定であることなどが報告された。


 協議会は下副知事のほか、副会長である串本町と那智勝浦町の両町長、警察署長、交通機関代表者ら21人が会員となっている。

 この日の会議では「応援会」の企画運営業務を委託されている大手旅行会社JTBの担当者が、完全事前予約制とし、それぞれ2500人を受け入れる公式見学場である「田原海水浴場」(串本町田原)と「旧浦神小学校」(那智勝浦町浦神)への受け入れ計画や当日のイベント案などについて報告した。

 見学者の募集については、6月ごろに応援会の専用HPを公開する予定。応援会に向けた機運を高めながら、チケットやオフィシャルツアーの販売につなげることを目的としたサイトで、打ち上げ日が決まりチケットが販売できるようになったら、すぐに案内ができるよう、事前に参加予定者の登録も行うと説明した。

■対策なしなら最大14キロ 発射見学の渋滞

 渋滞対策については、協議会事務局である県産業技術政策課が報告。対策を講じなかった場合の渋滞について、2万人分の車両8千台が流入するといった厳しい条件を設定したシミュレーションでは、道の駅すさみ前交差点(すさみ町江住)と市屋交差点(那智勝浦町市屋)を起点とし、国道42号や高速道路で最大約14キロの渋滞が発生するとの想定を明らかにした。

 このため、公式見学場に入場できる5千人についてはオフィシャルツアーや鉄道の利用、自家用車を駐車場に止めてシャトルバスで見学場まで移動する「パーク&ライド」といった取り組みを行うほか、現地を訪れなくてもロケット発射が見られるように誰でも視聴できるウェブ配信をすることを説明。それでも訪れる見学者への対策として、公式見学場の前後1キロの国道42号を駐停車禁止にし、その先2キロについても駐車禁止にするほか、紀伊大島への車両流入の抑制に取り組むといった対策を説明した。

 出席者からは地域内に5千人を超える人たちが流入してコントロールできなくなる可能性を危惧する声もあり、事務局は「チケットを入手しないと来られないという広報をしっかりし、抽選漏れになる人についてはウェブでしっかり見ていただく状況をつくって、来ないでも楽しめるようにしていきたい」などと述べた。

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