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【動画】巨岩に「守り犬」の影 和歌山県古座川の一枚岩

 和歌山県古座川町相瀬にある国の天然記念物「古座川の一枚岩」に19日の夕方、犬の姿に見える影が現れた。春と夏の限られた期間だけ見ることができる現象で、里の猟犬が一枚岩を食べようとした魔物を追い払ったという民話にちなみ「一枚岩の守り犬」の影として親しまれている。

 一枚岩は、南紀熊野ジオパークの見どころである「ジオサイト」の一つで、高さ約100メートル、幅約500メートル。約1500万~1400万年前、「熊野カルデラ」の形成に伴ってマグマや火山灰などが地表へ噴出する際の通路としてできた「古座川弧状岩脈」の一部であり、地表に現れた一枚の岩盤としては日本最大級として知られている。

 民話では、岩が大好物という魔物が、同町池野山にある虫喰(むしくい)岩などを食い荒らしながら古座川をさかのぼった。一枚岩にたどり着いていよいよ食べようとかじりついたところ、里にすむ猟犬が襲い掛かって魔物を追い払ったことから、一枚岩は穴だらけにならずに残った、とされている。

 「一枚岩の守り犬」の影は毎年4月19日前後と8月25日前後の数日間現れるという現象。夕日を受けて一枚岩に浮かび上がった対岸の山影が、犬が魔物に向かってほえているように見えるとして有名になった。

 19日の夕方も、守り犬の影を見ようという人たちが対岸にある道の駅「一枚岩」を訪れており、午後5時前、耳を立て、向かって右側を向いた犬のように見える影が一枚岩の岩壁に浮かび上がった。

 田辺市の男性(76)は「以前に新聞で守り犬の影のことを見て撮りたいと思っていたが、撮影に来たのは今年が初めて。今日は2回目の挑戦で、何とか犬っぽい姿を撮ることができてよかった」と話していた。

古座川の一枚岩に現れた「守り犬」の影(19日午後4時58分、和歌山県古座川町相瀬で)
古座川の一枚岩に現れた「守り犬」の影(19日午後4時58分、和歌山県古座川町相瀬で)
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