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パンダの竹でイカの産卵床 食べ残し使い30基、和歌山県白浜

アオリイカの産卵床を作るスタッフ(17日、和歌山県白浜町で)
アオリイカの産卵床を作るスタッフ(17日、和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」は17日、ジャイアントパンダが食べ残した竹の枝葉を使ってアオリイカの産卵床を作った。町内の海底に沈めて産卵状況を観察し、効果があれば継続していく。


 里山を荒廃させる竹を伐採してパンダの餌とすることで里山の環境を守り、廃棄していた食べ残しの竹や、ふんを有効資源とする「パンダバンブープロジェクト」活動の一環。今回の取り組みは、和歌山南漁協協力の下、白浜町と共同で行っている。

 この日は、スタッフ約10人が、高さ約2メートルの竹の枝葉約20本をコンクリートブロックの穴に詰め込むなどして30基の産卵床を作った。

 完成した産卵床は、スタッフが町内にある瀬戸、湯崎、伊古木の3漁港へ運び込み、地元ダイバーの協力で、深さ5~10メートルの海底に土のうを付けて沈めた。ふ化シーズンが終了する8月ごろまで観察し、効果を検証する。

 地元のダイバーによると、近年、黒潮が紀伊半島から離れて流れる「黒潮大蛇行」の影響で海水温が低下し、サンゴなどの生物が減少しているほか、時季外れの生物が現れているという。

 今回、イカの産卵だけでなく、魚介類の隠れ場としての機能、海藻類の着生についての効果も期待している。

 同施設の新東貴行さん(42)は「ぜひアオリイカに気に入ってもらい、産卵してもらいたい。うまくいけば、白浜の豊かな海を守ることに貢献できる。効果があるようであれば、地元の学校や企業と一緒に取り組むなどして継続していきたい」と話した。

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