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外国人客受け入れ待ち遠しい 再開で古道の観光関係者

県内外国人宿泊者数の推移(和歌山県資料から)
県内外国人宿泊者数の推移(和歌山県資料から)
バス路線の案内を見る外国人観光客(田辺市本宮町で2018年撮影)=和歌山県提供
バス路線の案内を見る外国人観光客(田辺市本宮町で2018年撮影)=和歌山県提供
 観光目的の外国人受け入れ再開へ国が動き出した。世界遺産の熊野古道には、新型コロナウイルスの感染が広がるまで多くの外国人が訪れていただけに、和歌山県田辺市の観光関係者から期待の声が上がっている。


 観光庁は、外国人観光客の受け入れ再開に向けた実証事業を5月中にも実施する。

 米国、豪州、タイ、シンガポールの、ワクチンを3回接種した人を対象に添乗員が同行する少人数のツアーを展開する。行き先は都道府県が同意した地域に限定する。具体的な場所はまだ決まっていないという。

 事業を通じ、感染防止策を外国人客にどう守ってもらうかや、陽性者が出た際の対応をまとめたガイドラインを策定する。国内の旅行会社や宿泊事業者向けに活用する。

 「ようやくという感じがする。着実に規制緩和が進むことを期待したい」。旅行商品の企画・販売を手がける田辺市熊野ツーリズムビューローの担当者はそう話す。

 〝コロナ前〟の2019年の旅行事業売上高は約5億2千万円あったが、その88%は外国人客がもたらしたものだった。コロナ禍の中でも欧米豪からの予約はあるが、入国規制で来日がかなわず、半年~1年後ろに日程をずらす客もいるという。

 熊野本宮観光協会の名渕敬会長(57)も「コロナ前の水準に戻るまでは時間がかかるかもしれないが、地域としても(外国人観光客の受け入れ再開は)待ち遠しい」と語る。田辺市本宮町では、コロナ禍の2年間で、多彩な店舗や事業所が新たに出店した。「何に期待したかと考えれば、外国人を含む観光客の存在だろう」という。

 本宮町内のある宿泊施設の幹部は「欧州の旅行会社から『日本の〝鎖国〟を早く終わらせて』という連絡を受けた」と笑う。「そう言ってもらえるほど、熊野に対する注目度はコロナ前と変わっていないということだろう」と、前向きに受け止めていた。


■コロナ後へ 準備着々

 県内では、外国人観光客の受け入れ再開を見据えた各種取り組みが続いている。

 県や市町、交通事業者でつくる団体では17年度以降、コロナ禍の中でも、外国人も分かりやすい路線バスの案内表示の整備を続けてきた。県によると、熊野古道中辺路周辺では21年度までにおおむね完了。22年度以降は白浜町、すさみ町と連携し、大辺路で同様の取り組みを展開する。

 県も外国人客受け入れ再開の動きを歓迎する。観光交流課は「宣伝活動も再開していきたい」と話している。

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