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全国健康福祉祭に般若の面 みなべの寺本さんが出展

寺本孝夫さんが作った「般若の面」(和歌山県みなべ町筋で)
寺本孝夫さんが作った「般若の面」(和歌山県みなべ町筋で)
 和歌山県みなべ町筋の瓦ぶき職人、寺本孝夫さん(66)は、趣味で面作りをしている。今春に和歌山市であった県社会福祉協議会主催のシルバー美術展で優秀賞に選ばれ、今秋の全国健康福祉祭神奈川大会の美術展に出展される。

 優秀賞に選ばれた作品は「般若の面」。キリの木をのみで彫り、強化して光沢を出すためにウレタン樹脂や合成漆を塗って仕上げた。縦30センチ、横22センチ。ケヤキの板を使って立てられるようにしている。

 シルバー美術展へは、町社会福祉協議会の職員から勧められて昨年から出展。昨年は「笑老の面」が最優秀賞に選ばれ、同じように全国大会の美術展に出展された。

 寺本さんが面作りを始めたのは三十数年前。観光地の土産物店で売っているのを見て、「自分でもできるのではないか」と思い、面を紹介する本を読むなどしてやってみた。休日を利用し、般若やおきな、てんぐ、ひょっとこなどさまざまな面に挑戦している。

 1年に三つほど作り、工房に展示している。知人にあげることもある。

 作品展への出展は昨年のシルバー展が初めて。「作ることを楽しんでいるが、評価してもらうとやっぱりうれしい。同じ般若の面を作っても表情は違い、一つとして同じものはない。これからも作り続けたい」と話す。

 寺本さんは獅子舞の獅子頭も作っている。木を彫って型を作り、その上に和紙を何枚も重ねていく。技術だけでなく、手間暇がかかる作業だという。竹を材料に笛も手作りしている。祭りばやしに使う笛で、地元の氏子らに贈り、喜ばれている。

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