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石見神楽を里帰り奉納 印南町の熊野古道・切目王子

天下泰平、国家安泰を祈り奉納される「切目」(和歌山県印南町西ノ地で)
天下泰平、国家安泰を祈り奉納される「切目」(和歌山県印南町西ノ地で)
 熊野古道の王子の中でも格式が高い五体王子の一つ、和歌山県印南町西ノ地の切目王子(切目神社)で22日、島根県石見地方の伝統芸能「石見神楽」が奉納された。文化庁の日本遺産にも認定されている石見神楽には、かつて切目神社で舞われていた演目があり、里帰り奉納を地元住民らが鑑賞した。

 奉納したのは西村神楽社中(浜田市)と高津神楽社中(益田市)。熊野権現の宝物の太鼓である「羯鼓(かっこ)」を題材にしたコミカルな演目「羯鼓」と、切目王子が太鼓を打ち鳴らして天下泰平と国家安泰を祈る演目「切目」を太鼓やかねなどに合わせて舞った。「切目」では、切目神社の神木で徳川頼宣が植えたとされるナギの枝を烏帽子(えぼし)に付けて舞った。

 鑑賞した切目の60代の女性は「石見神楽を初めて見た。太鼓の音に合わせて舞う様子や華やかな刺しゅうが施された衣装も素晴らしかった」と喜んだ。

 この日は、同町印南の町体育センターでも石見神楽の鑑賞会があった。

 令和元年を祝い、町文化協会(坂下緋美会長)を中心に町、町教育委員会が共催して町の歴史文化を町内外に知ってもらい、次代を担う小中学生にも日本の伝統芸能を鑑賞してもらおうと開いた。

 「切目」「羯鼓」「恵比須」「大蛇(おろち)」など計6演目が披露された。町文化協会によると、石見神楽の公演はこれまでに町内で3回開催している。今回の公演のオープニングセレモニーでは、地元の子どもらが印南音頭を披露した。

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