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13カ所で1113匹 外来ガエル、鳥ノ巣半島で本年度の駆除終了

ため池の水を抜いて外来ガエルを捕獲する田辺中学校と田辺高校の生徒ら(田辺市新庄町で)
ため池の水を抜いて外来ガエルを捕獲する田辺中学校と田辺高校の生徒ら(田辺市新庄町で)
鳥ノ巣半島で繁殖するアフリカツメガエル
鳥ノ巣半島で繁殖するアフリカツメガエル
 外来生物アフリカツメガエルが繁殖する鳥ノ巣半島(田辺市新庄町)のため池で、本年度の駆除作戦が終わった。地元住民や中高生らでつくる鳥ノ巣半島生物多様性保全推進協議会(玉井済夫会長)が、13カ所のため池で計1113匹を駆除した。来年度も行う予定。今回、池によって捕獲数に大差が出たため、有効な駆除方法を検討していくという。


 協議会は4月に県の外来生物条例が施行されたこともあり、田辺中学校と田辺高校の生物部と地元関係団体、田辺市、県で設立された。半島は吉野熊野国立公園内にあり、環境省も支援している。

 半島では2007年にツメガエルが初めて見つかった。約40のため池があり、現在、30ほどでツメガエルが確認されている。協議会では、9月29日~12月14日で8日間、あらかじめ水を抜いた池にメンバーらが入って、たも網などで生き物を捕獲した。その後、池の底一面にネットを張って捕り残したツメガエルを閉じ込める方法で取り組んだ。この結果、生体952匹、亜生体66匹、幼生(オタマジャクシ)95匹を捕獲した。最も大きな池では932匹を捕獲したが、まったく捕れなかった池もあった。

 在来種ではマツモムシやハイイロゲンゴロウ、トンボの幼虫(ヤゴ)、ギンブナ、ウナギ、ヌマエビの仲間などが捕獲された。

 中学から参加している田辺高校1年の田野岡大季君(15)は「水を抜くと底や壁の土の中にまぎれて隠れる可能性が高い。場合によっては同じ池で複数回駆除を行う必要がある」とみている。

 生物部顧問の宇井大晃さん(29)は「半島外への流出を防ぐために、継続した駆除が大事。今後もみんなに協力してもらいながら、いろいろな捕獲方法を試してみたい」と話している。

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