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暖冬でポンカンに被害 皮の変色5割の農家も

皮が傷み変色しているポンカン
皮が傷み変色しているポンカン
 暖冬の影響で、和歌山県田辺・西牟婁で収穫が最盛期のポンカンに皮が傷むなどの被害が出ている。レタスやダイコンなどの冬野菜も安値となっており、農家らの表情は曇りがちだ。

 ポンカンは田辺・西牟婁で中晩柑の主力品種。今月上旬から収穫が始まり、今が最盛期だが、「水腐れ」といわれる皮が傷んで変色する被害が目立っている。JA紀南指導部や農家によると、平年より気温が高いのに加え、年末の雨が響いたとみられ、影響が大きい農家では5割ほど、小さくても2割ほどが被害を受けている。これほど大きな被害は近年では珍しいという。

 JA紀南上秋津晩柑部会長の森山昌明さん(48)の園地でも影響があり、森山さんは「水腐れになっても味は変わらないが、傷みが早くなる。商品価値が下がるため、どうしても安くなる」と肩を落とす。高温に加えて雨の影響も大きく、今後の天候が心配される。

 晩柑の中でもポンカンは皮がデリケートなため影響は大きく、近く収穫が始まる不知火への影響も心配する。

 冬野菜の安値は全国的な傾向で、消費者は歓迎するが、農家は打撃を受けている。

 田辺・西牟婁では、冬野菜のうちレタスやダイコンが比較的多く栽培されている。

 田辺中央青果(田辺市稲成町)によると、レタスの1玉当たりの市場値は1月の平均で184円。昨年同月と同じだが、不作だった一昨年同月と比べると13%安となっている。ダイコンの市場値は昨年とほぼ同じだが、一昨年の半額近くで大幅な安値。

 農林水産省が発表した全国小売店での野菜販売価格(13~15日時点)では、レタスは平年の35%安、ダイコンは20%安。ハクサイやキャベツ、ネギも安値で、暖冬により生育が順調に進んで出荷が増える一方、鍋物用などの需要が伸び悩んでいることが影響しているとみられる。

 レタスを栽培する白浜町の50代男性によると、今季は大きな産地がある中部や関東が台風被害を受けたため、高値が予想されたが、上がっていない。それどころか、病気の発生や生育不良が多い。「気温が下がり、あまり雨が降らないことを願うしかない」と好転に期待する。

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