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祈りの炎、勢いよく 和歌山県みなべの鹿島神社で節分祭

高々と燃え上がる護摩壇(2日、和歌山県みなべ町埴田で)
高々と燃え上がる護摩壇(2日、和歌山県みなべ町埴田で)
無病息災を願い護摩壇を中心に回る多くの参拝者
無病息災を願い護摩壇を中心に回る多くの参拝者
 和歌山県みなべ町埴田の鹿島神社(亀井隆行宮司)で2日、節分祭が営まれた。人々の願いが込められた神木をたき上げる「火焚大祈祷(ひたきだいきとう)」では、炎が勢いよく上がり、火の粉が舞った。


 事前に地域の人が願い事を書き入れた護摩木(ごまき)を本殿前の火炉に投じて厄をはらった。節分に合わせて毎年3日に開かれているが、今年の立春は3日で「立春の前日」と定義されている節分が1日早まった。今年は約2700本の神木が集まった。

 祈祷は田辺市の修験道「江川龍王講」(合川雅也講元)の7人が執り行った。同神社によると、平安末期の壇ノ浦の戦いで熊野水軍が出陣する際、源氏と平氏のどちらに付くかを占う紅白の鶏合わせの行司を務めたのが、江川龍王講だっと伝えられているという。

 日没後に総代、各区の区長、江川龍王講と薬師寺(みなべ町)埴田念仏講の関係者のほか、厄よけ祈願者15人が参列。拝殿で玉串を供えるなどした。

 江川龍王講の山伏がほら貝を鳴らし、般若心経を唱える中、総代が神木に書かれた願い事を1枚ずつ読み上げ、厄よけ祈願者らが燃えさかる炎に向かって投げ入れた。神木には「交通安全」「宝くじ当選」「大学受験合格」「暗算が上達しますように」などと書かれていた。

 炎は高さ約5メートルまで真っすぐと立ち上がり、参拝者は囲むように見守った。

 祈祷が終わると、「熱気を持って帰るように」と総代を先頭に参拝者も燃え尽きた護摩壇を中心に3周した。

 最後には福豆まきがあった。当たり紙が入った福豆もあり、境内は大いに盛り上がった。

 厄払いに参加した同町北道の自営業、丸山泰三さん(58)は「熱くて大変だったが、煩悩をはらうため頑張って護摩木を火に投げ続けた。家内安全を願った」と話した。

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