和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

五感使って学ぶ 和歌山県すさみで防災イベント

防災かるたで対戦する参加者=9日、和歌山県すさみ町周参見で
防災かるたで対戦する参加者=9日、和歌山県すさみ町周参見で
スタッフに教わりながら的に向かって小型ドローンを飛ばす参加者
スタッフに教わりながら的に向かって小型ドローンを飛ばす参加者
 和歌山県すさみ町周参見の多世代交流施設「イコラ」で9日、防災知識を学ぶイベント「SUSAMISAI(すさみさい)」があった。「見て、食べて、考える、五感を使って備えて学ぶ1日」をテーマに、地震体験車や備蓄食の調理・試食、防災かるた、ドローン操縦体験などさまざまな企画があり、参加者は楽しみながら防災の知識や理解を深めた。


 町やIT企業などでつくる共同事業体「すさみスマートシティー推進コンソーシアム」が主催し、地方でのイベント企画やデザインなどを手がける合同会社「シェアローカル」(すさみ町周参見)が監修・運営を務めた。今年で3回目。

 カフェスペースでは、地元の子どもたちの防災学習発表や、昭和南海地震体験者による話の後、福島県いわき市を拠点に地域活動や文筆活動をしている小松理虔さんによる特別講演「東日本大震災 その時、その後、そのまえ」があった。

 小松さんは、撮影した震災直後の動画を上映し「自分の好きだった店やよく通った場所が、跡形もなく崩れてしまったりするのは心のダメージが非常に大きい。それでも立ち直らないといけないのが大変だった」と振り返った。

 また、どこに避難するか、連絡が取れない場合はどうするかを日頃から話し合うことや、十分な量の非常食の用意、避難所開設から日常へ戻っていくまでの課題や重要点なども説明。復興に関しては「近所の人同士でつながりを持ち、地域文化を継承したいいまちをつくること、外の人や若者の意見を取り入れた『事前復興』を進めることが、被災後のまちの復興をスムーズにする」と伝えた。

 シェアローカルの代表社員、角和輝さんは「固く難しいイメージのある防災。それをデザインの力で楽しく学んでもらえるようアイデアを出し、子どもから大人に備えの大切さを伝える機会になればと取り組んでいる。少しずつ認知も広がっているが、いずれは町民全員が参加するような、町一番の防災のお祭りにしていきたい」と話した。

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