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多くの人が別れ惜しむ 「信じられない」、岸本知事の通夜、和歌山

岸本周平知事の通夜で、参列者にあいさつする妻の香織さん(16日、和歌山市で)
岸本周平知事の通夜で、参列者にあいさつする妻の香織さん(16日、和歌山市で)
 68歳で死去した和歌山県の岸本周平知事の通夜が16日、和歌山市の「吹上ホール」で営まれた。広い会場に収まりきらない人数の参列者が詰めかけ、突然の死を悼んだ。参列者からは「信じられない」「これからという時に残念だ」などの声が聞かれた。


 生前に交流のあった多くの人が、笑顔の遺影が飾られた祭壇に向かって焼香し、静かに手を合わせた。関西広域連合長の三日月大造滋賀県知事や吉村洋文大阪府知事、斎藤元彦兵庫県知事のほか、国会議員、県議、県職員らが参列。式場外の歩道にも参列者の長い行列ができた。

 喪主を務める妻の香織さんはあいさつで「和歌山が大好きだった」と言い、知事として「困っている人を助けたい、子どもたちが伸び伸び元気に育つ環境をつくりたい、人権重視で平等な社会にしたい」との思いを持っていたと述べた。岸本さんとのさまざまなエピソードを紹介し「生まれて初めて、心にぽっかり穴が開くということを知った。日頃から『充実した人生だ』と言っていて幸せだったと思う」と話した。

 通夜の後、岸本さんと以前から親交があり、知事就任から3月末まで2年余り副知事として支えた下宏さんは「やっとこれから、自分の思っている課題の解決に本格的に取り組もうとした矢先のこと。本当に残念だし本人も無念だと思う。岸本県政の流れを次の知事が継承していただきたい」と述べた。その上で「通夜でこんなに涙が出たのは初めて。悲しいというか悔しいというか。期待していただけにつらい。いまだに亡くなったことが信じられない」と胸の内を語った。

 岸本さんが衆院議員時代に所属していた国民民主党の玉木雄一郎代表は「大蔵省、財務省時代から、政治家になってからも、ずっとともに歩んできた。創造力豊かで、発想が柔軟で、頭が良く、朗らかで人に優しく、素晴らしい政治家であり人物だった。もっと良くなった日本を岸本さんに見せたいと思う」と話した。

 告別式は17日、同じ式場で営まれた。県は後日、県民葬を予定している。

■役場に記帳所 田辺市など

 岸本周平知事が死去したことを受け、田辺市は17日から、市役所本庁舎(東山1丁目)と4行政局に記帳所を設けている。23日まで。

 受付時間は午前8時半~午後5時15分。土日曜は除く。供花やお供えの金品などの預かりはしない。

 田辺・西牟婁では、上富田町、白浜町、すさみ町の各役場でも23日まで記帳所を設けている。

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