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熊野の神に終息願う 新型コロナ、本宮大社が祈願祭

新型コロナウイルスの感染拡大の終息を願って開かれた祈願祭(10日、和歌山県田辺市本宮町で)
新型コロナウイルスの感染拡大の終息を願って開かれた祈願祭(10日、和歌山県田辺市本宮町で)
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は10日、終息を願う祈願祭を営んだ。氏子のほか、観光や商工関係者ら約30人が参列し、一日も早い終息を願った。

 本宮大社が関係者に呼び掛けて開き、参列者は、和紙などで作った神事用の覆面(マスク)を着けて神事に臨んだ。九鬼宮司が祝詞を上げたり、参列者が玉串をささげたりした。

 九鬼宮司は「心を一つにして、一日も早い終息を願った。体に気を付けて、この時期を乗り越えていただきたい」と呼び掛け、参列者には古来、病を払いのける力もあるとされる「熊野牛王神符」を授けた。

 参列者の願いは切実だ。熊野古道を訪れる外国人を中心に旅行業を展開する同市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長は「日本だけでなく、世界中に広まっている。観光客はほとんどキャンセルで、国内外ともに動いていない。長引くと本当に大変。とにかく一日も早い終息を願うばかり」と話した。

 熊野本宮観光協会の名渕敬会長も「行楽シーズンの4~5月、町内の宿泊施設は例年同時期の2、3割ぐらいしか予約が入っていない。これがいつまで続くのかという、前が見えない状況。早く普通の生活に戻れることを願っている」と話していた。

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