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8カ月ぶり通行可能に 斜面崩落の県道田辺龍神線、27日から

27日から通行できる仮設道路(手前)。対岸に橋を架けている。左奥が崩落現場=19日、和歌山県田辺市上秋津で
27日から通行できる仮設道路(手前)。対岸に橋を架けている。左奥が崩落現場=19日、和歌山県田辺市上秋津で
上秋津仮設道路地図
上秋津仮設道路地図
 和歌山県田辺市上秋津の奇絶峡近くで起きた斜面崩壊で、昨年7月下旬から通行止めになっている県道田辺龍神線が27日午前10時から通行可能になる。災害現場で応急的に工事を進めている仮設道路が利用できるようになり、県が19日発表した。県道は市街地と秋津川方面を結ぶ生活道路で、地元の住民からは喜びの声が上がっている。


 斜面崩壊は昨年7月28日に発生。現場は右会津川に沿う県道沿いの斜面で、幅約50メートル、高さ約20メートルにわたって崩れ、県道をふさいだ。以降、通行止めが続いていた。

 崩れた斜面の上方では、広範囲にわたって地滑りが起きており、斜面が再び崩れ落ちる可能性があるため、県は、対岸の梅畑に仮設道路の設置を決め、9月から工事を始め、11月末から仮設道路の本体工事を進めた。

 通行可能になる仮設道路は延長約260メートルで、道幅は6~8メートル。二つの橋があり、長さはともに34メートル、上流側は道幅6メートル、下流側は道幅8メートル。鉄製だが、舗装コーティングして滑りにくくしているという。

 県庁で会見した仁坂吉伸知事は「大変重要な幹線道路なので行き来できないと経済や交流に支障が出るので、対岸に仮のバイパスを造った。地元の人は喜んでくれると思う。林野庁の対策などの結果によっては、元の道ではなく仮設道路を恒久的な形にする可能性もある」と話した。

■喜ぶ地元住民

 県道の全面通行止めで大幅な迂回(うかい)を余儀なくされていた住民も少なくなく、仮設道路の通行可能に地元は喜んでいる。

 田辺市上秋津町内会の野村悠一郎会長(76)は「大事な生活道路が長らく通行止めだったが、県により早期に仮設道路の取り付け工事をしてもらってこれでもう安心。感激している。上秋津、秋津川、龍神村の皆さんも喜んでいる。梅の収穫前に仮設道路ができてよかった」と話した。

 秋津川町内会の山本幸生会長(69)は「8カ月にわたって通行止めとなり、住民たちは苦労したが、早く仮の道路を設置してもらえてありがたい。今回のことで道のありがたさ、大切さを十分に身をもって感じた。今後、早期の本復旧にも期待したい」と語った。

 一方、斜面の地滑り対策は、林野庁近畿中国森林管理局が実施している。

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