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串本町姫でヒジキ解禁 海水温高く水揚げ減少

磯に生えたヒジキを鎌で刈り取る組合員(9日、和歌山県串本町姫で)
磯に生えたヒジキを鎌で刈り取る組合員(9日、和歌山県串本町姫で)
 和歌山県串本町姫の海岸で9日、ヒジキ漁が解禁された。和歌山東漁協西向支所姫ひじき採捕組合の組合員約20人が、磯に生えたヒジキを鎌で刈り取った。今年は海水温が高いため成長が悪く、水揚げ量は昨年の半分以下の約1トン(乾燥状態)になる見込み。山田隆一組合長(77)は「海水温が低い方がよく成長する。この状態がいつまで続くのか」と頭を抱えている。

 ヒジキ漁は、潮が引いた午前10時半から約3時間行われている。漁は例年だと1週間ほど続くが、今年は量が少ないため3日間で終わるという。

 組合員たちは初日、旧養春小学校前の磯で漁を始めた。鎌で刈り取ったヒジキを袋に詰め、船で同町伊串の漁港に運び込んだ。天日干しした後、釜ゆでし、ブランド品として人気のある「姫ひじき」に加工して町内のスーパーマーケットや道の駅などで販売する。

 太くてやわらかく、粘りがあるのが特徴の「姫ひじき」は、東京など遠方からも毎年注文が入る人気商品になっている。山田組合長は「姫ひじきは皆さんのおかげで有名になったが、今年は量が少ないので、遠方からの注文には応えることができないと思う」と話した。

 姫のヒジキは多い年で約6トン、近年は約4トン収穫していたが、昨年は約2・6トンと減少。60~90代の男女約20人の組合員は成長を促そうと、シーズンオフには磯の掃除をしたり、ウニ退治をしたりしていた。

 山田組合長は「今年のヒジキは姫だけでなく、近隣の海岸でも少ないと聞いている。例年のヒジキは長さが1メートルほどあるが、今年は40~50センチと短い。自然が相手なので、頭が痛いところ」と話した。

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