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稚児なしで湯登神事 熊野本宮大社の例大祭

稚児の参列なしで営むことになった湯登神事で、熊野本宮大社を出発する九鬼家隆宮司(手前)ら=13日、和歌山県田辺市本宮町で
稚児の参列なしで営むことになった湯登神事で、熊野本宮大社を出発する九鬼家隆宮司(手前)ら=13日、和歌山県田辺市本宮町で
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は13日、県指定無形民俗文化財「湯登(ゆのぼり)神事」を営み、例大祭(13~15日)が始まった。ただ、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、すべての祭典を神職や役員のみで営み、一般参列は自粛を要請。湯登神事も稚児が参列しない異例の幕開けとなった。

 湯登神事は神の依代(よりしろ)である稚児を父親らが肩車をして歩くなどし、健やかな成長を願う神事。通常、熊野本宮大社を出発した神職や楽人、稚児らが湯の峰温泉で身を清め、湯峯王子社で祭典をした後、険しい場所もある熊野古道「大日越」を踏破して帰社する。

 この日は、マスク姿の神職や氏子総代会役員ら約20人が大社の本殿前に集合し、九鬼宮司が「熊野はよみがえりの地。しっかりと今の状況を打破できるように、平安な日々に戻れるようにとの思いでこの3日間、心を一つにして本宮祭を営みたい」と呼び掛け、湯の峰温泉へ向けて出発。関係者のみで神事を執り行った。

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